WE LOVE 相島(猫の島)
市町村情報 福岡
2024.05.21
福岡県糟屋郡新宮町は隣接する九州最大の経済圏である福岡市まで電車やバスで30分以内というアクセスの良さに加え、海や山の豊かな自然と歴史を併せ持ち、2022年には民間調査による「街の幸福度ランキングin福岡」で堂々の1位、2023年も2位に輝いた人気の町です。
またその人気を裏付けるように、子育て世代を中心に新たな住民が増え続け、2015年には人口増加率・増加数とも全国の町村で1位になっています。
さて今回は新宮漁港から北西へ約7.5kmの沖合にあり、町営渡船でわずか20分、
💙型をした周囲約7kmの「相島」を訪ねてみました。
相島(あいのしま)は遠く万葉集や続古今和歌集に詠われた歴史をもち、また江戸時代の鎖国政策の中で唯一国交を結んでいた朝鮮からの朝鮮通信使を、この島に建てた客館で接待して、日朝間の文化交流の舞台となったところです。
もともと釣り人に人気のスポットでしたが、近年は「猫島」として有名で、特に今日は五月晴れの日曜日ということもあって、船の中では多国籍の言語が飛び交い、渡船の係員さんによれば午前中だけで500人以上が上陸したとのことでした。
船着場に到着した後は、それぞれが気ままな自由行動をチョイス、私は史跡と大自然の造形美を楽しむ島内一周のてくてく歩きをスタートしました。
龍王石
漁民の信仰を集める周囲750cm、横265cm、高さ216cmの巨岩。
毎年11月15日は古式に則り「龍王祭」が行われます。
遠見番所跡
福岡藩2代藩主黒田忠之の時代に、幕府の鎖国政策の一環として異国船の監視のため櫓が設けられました。玄海灘を望む海抜約70mの高台にあり、往時を偲ばせる石垣が残っているだけですが、現在はすぐ傍に灯台が建てられています。
積石塚群
墳丘は一般には土を盛って造るのに対し、ここでは石だけを積み上げた古墳群で、約500mの礫丘の上に4~7世紀に造られた254基が確認されています。また同時代の須恵器や鉄製品、金銅製耳輪、水晶製切子などの多くの遺物が発見されているそうです。
鼻栗瀬(めがね岩)
島の東方300mの海上にそそり立つ高さ20m、周囲100mの奇岩で、海食洞があって通称めがね岩と呼ばれており、島いち押しのビューポイントとなっています。
お試し居住施設「槝(かし)」
相島では、移住したいという方に向けて「相島お試し居住施設」を運営しています。
管理者であり、地域おこし協力隊員でもある馬田さんにお話を伺いました。
一棟貸し切りで通常の宿泊施設としても機能しているので、ほぼ毎週末予約が入っているそうで、魚釣りや猫との出会い、島内巡りなど、穏やかな相島ならではのゆったりとした時間を堪能することができます。
※槝(かし)とは船を繋ぎとめるための杭を意味します
予約・問合せ先:相島ROOTS まだ あやこ 📱090-5291-0757
地域おこし協力隊(看護師)募集
新宮町では都市部からの移住を促す地域おこし協力隊制度を活用して、相島で唯一の診療所を拠点として活動する看護師2人を募集しています。
人口減と高齢化が著しい島の医療と福祉を充実させる狙いで、協力隊として採用することで引越し費用や家賃などの補助があり、移住が条件となっています。
詳しくは新宮町健康福祉課健康づくり担当へ☎092-962-5151
この日は大勢の観光・釣り客が押し寄せ、帰りの船では積み残しが出るかも知れないと係員さんに脅されて、早々と船着場の列に並んだため、約4時間のプチ周遊でしたが、週末のお出掛け先としても魅力的な相島を、皆さん是非いちど体験してみて下さい!