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~星が降り、行者が通った村へ~令和版東峰見聞録

市町村情報 福岡

2021.10.14

令和3年9月14日
〜星が降り、行者が通った村へ〜 令和版東峰見聞録

 日本で最も美しい村のひとつ「東峰村」は、福岡県と大分県の県境、朝倉郡の東端に位置する静かな山あいにあり、2005年(平成17年)に棚田が美しい宝珠山村と、小石原焼など焼物の里として知られる小石原村が合併して発足した、合併後も村制を敷いた全国でも数少ない自治体です。人口は8月末現在で1,995人、福岡県で最も小さい村となります。

 清らかな川に森閑とした山々、日本の原風景とも言える東峰村を案内してくれたのは、東峰村役場 企画政策課の室井さん。自らもいったん徳島県に出てから、Uターンで故郷である東峰村役場に勤め、主に伝統工芸の「技」を活かした観光の振興や、歴史・文化に散りばめられた「智」を活かした交流事業を通じて、持続可能な村づくりを担う若手のホープです。


 さて、旧宝珠山村は岩屋神社に祀られた宝珠石に由来し、欽明天皇8年(547年)のある日、岩屋に光り輝くものが降ってきて、社僧はこれを「宝珠石」と名付けました。その後、ご神体として神殿に祀ったと伝わっています。

 私も実際に岩屋神社に参拝して、ご神体である宝珠石を見ようと神殿の中を覗きましたが、傍の案内板には「身の穢れた者が直接見ると目が潰れる。よって菰で覆っている」と書いてあり、世俗の垢でドロドロにまみれた私は足早に立ち去ったのでありました。

 




 そして宝珠山の見どころと言えば、約400年前から引き継がれ、日本棚田百選にも選ばれた竹地区の棚田! 山の緩やかな傾斜に沿う無数の石垣と、時節柄たわわに実った稲の穂は今も昔も変わらない地域の営みを映しだす日本の原風景でした。
 
 そのすぐ近くには、古民家の柱や梁をそのまま利用したモダンな邸宅として、令和2年にオープンした「古民家ヴィラ あんたげ」があり、1棟貸しで家族やグループで貸し切って棚田の広がる長閑な風景を独占できます。

 

 かたや旧小石原村は、日田街道の宿場町として栄え、昔は「腰原(越原)村」とも呼ばれて九州修験道の中心道場である英彦山への登山口に当たり、英彦山と宝満山を結ぶ修験者たちの峰入りルートとして重要な場所であったそうです。小石原の語源は腰原(越原)の転訛したものと言われていますが、小石の多い原っぱを指して呼んだとの説も…

 小石原焼はもともと同村皿山の民陶であって、その起源は明らかではないのですが、小石原の粘土が生む素朴な質感と、飛び鉋や刷毛目など小石原焼独特の技法が作り出す紋様が魅力で、毎年春と秋に年2回開催される陶器市「民陶むら祭」には好みの陶器を求めて各地から多くのファンがやってきます。

 しかしここにもコロナの影響があり、例年なら3日間開催される秋の民陶むら祭は中止に。その代わり「2021年秋の陶の里めぐり」と称して、人出を分散するため、10月1日~10月31日までの1か月間に期間を延長し、開催されます。
 約50の窯元と陶器直売所が参加し、全品通常価格の2割引きで販売。陶器好きの人には逆にいいかも?

 


 そんな風光明媚な東峰村も、2017年(平成29年)の九州北部豪雨では家屋や倒木が多く流され、交通網の寸断により一時は孤立状態になるほどの甚大な被害を受けました。今なお復旧工事が村の至るところで進められています。

 また報道でもご承知の通り、村民の重要な足であったJR日田彦山線は、流出した線路や橋梁等の復旧が難しく、侃々諤々の議論の末に日田〜添田間の運行再開を断念して、BRT(バス高速輸送システム)への運行切替えが決まりました。
 2023年度の完成に向けて、この日も、かつて列車が往き来しためがね橋(金剛野)の上をバス専用レーン工事中のショベルがカタカタと走っていました。

 今はホームや線路が撤去された筑前岩屋駅。この駅前にある「岩屋湧水」は、JR日田彦山線の釈迦岳トンネル工事の際に湧き出た地下水を水源としており、平成の名水百選にも選ばれています。まろやかな味が特徴で、特に和食やお茶、コーヒーなどに重宝され、連日多くの人が各地からやってくる自然の恵みです。

 


 さて、子育て中のパパとママへ、ここ東峰村で唯一の学校は小中一貫型9年制「東峰学園」です。少子化による児童数の減少と中1ギャップを解消すべく、村下の小学校2校と中学校1校が合体して平成23年に開校しました。

 現在小学生85人、中学生41人の合計126人が学んでおり(令和3年4月現在)、学校から離れたエリアはスクールバスで送迎しています。
 
 毎日の掃除や運動会などの行事は小中一緒、お兄さんやお姉さんが下の学年の面倒をみる一方、下の子はお兄さんお姉さんに憧れながら大きくなって、「人のために何かをする・お互いを思いやる心」が知らずして身につく教育環境が整っています。

 そして東峰学園のもうひとつの特徴は教職員数の多さ。加配教員を含めた29名、概ね生徒4人に対して1人の配置となり、中学校の専門科目の先生が小学校の音楽や美術を教えたり、複数の教員が教室に入って授業をサポートするなど、小中の枠を超えた手厚い教育を行っています。

東峰村への移住をお考えの皆様へ

 全国的に進む少子高齢化や過疎化。東峰村では平成27年度から第2次総合計画を策定して「美しい山里を継承し、豊かな暮らしを創造する幸せな村づくり」を目標に、村の特性・魅力を活かしたさまざまな取り組みを進めています。
 
 特に東峰村の魅力を活かして『しごと』を作り出すとともに、『ひと』を呼び込み新しい交流を生み出し、活力ある『むら』を実現していくため、村に活力を生み出すことが期待される子育て世代の人や、新たに起業・事業拡大を目指す人々が東峰村を選び、長く住み続けられる施策のひとつとして移住定住に関わる支援制度も充実させています。

 ただ東峰村に限らず、いきなり知らない土地に移り住むのは不安なものです。そこで先ずは旅行気分で実際に東峰村に足を運んでみませんか?
 ご紹介した古民家ヴィラ「あんたげ」や旧小石原小学校校舎をリニューアルした「アクアクレタ小石原」に泊まって、四季折々のイベントに参加したり、体験プログラムを楽しむことで地元の人々との交流が深まり、移住への具体的なイメージが湧いてくるはずです。

 東峰村への移住をお考えの皆様、村での暮らしで気になること、就業や住宅に関するご質問やご相談は、下記窓口までどうぞお気軽にお問い合わせ下さい。


東峰村移住相談窓口
 合同会社 東峰村ツーリズム協会
(東峰村移住定住支援業務受託) 

〒838-1602 福岡県朝倉郡東峰村大字小石原鼓3492-1
電話  080-5275-1040
e-mail toho@bm.main.jp

助成制度のご案内 | 東峰村で暮らす 東峰村移住定住促進サイト (toho-info.com)

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