移住者インタビュー

吉富町 建築業 村岡賢治さん

転職をきっかけになじみのなかった吉富町へ。移住後に待望の子どもが3人誕生し、のびのびと子育てをしながら家族楽しく暮らしています。

移住者DATA

Jターン

吉富町 村岡賢治さん

Profile
村岡賢治さん(41歳)
Data
福岡県みやこ町に生まれ、社会人になってからは熊本や大分、福岡市近郊などで暮らす。北九州市小倉南区を拠点に建設業の会社に勤めていたところ、大分県中津市の会社に転職が決まり、2020年に夫婦で吉富町へ。移住後に3人の子どもが誕生し、4歳、2歳、9ヶ月の子育て中。
Work

建築業

福岡県の端に位置する小さな町・吉富町で空き家バンクや補助金など移住に便利な制度を活用。

Q.移住のきっかけを教えてください。

出身は吉富町から車で30~40分くらいのみやこ町で、働き始めてからは、熊本や大分、福岡市近郊などに住んでいました。移住前は妻と一緒に北九州市小倉南区に住み、建築業の工務店で大工として働いていました。会社からの独立を考えていた頃に、お世話になっていた大分県中津市の工務店が声をかけてくれたので転職を決め、吉富町に移住しました。

Q.吉富町を移住先に選んだ理由を教えてください。

吉富町は福岡と大分の県境にあり、職場がある中津市の中心部まで車で10分くらいの距離なんです。中津まで通うのも楽ですし、出身地の福岡県で暮らしていたいので吉富町を選びました。みやこ町からあまり離れていないのですが、移住するまでは訪れたことはほとんどなかったですね。なので、物件を探すために足を運び、不動産屋さんに案内されながら町を知ったという感じでした。

Q.物件探しはスムーズに進みましたか?

仕事に使う道具が多いので倉庫を確保できる一軒家を探していたところ、吉富町の「空家・空地バンク」のWebサイトを見つけて登録しました。町役場の担当者の方は親しみやすい雰囲気で、手厚くサポートしてくださり、希望に合う物件を見つけることができました。さらに「空家改修事業補助金」という、「空家・空地バンク」に登録された物件をリフォームする時に使える制度も教えてもらえたので助かりました。リフォームは工務店に頼みましたが、自分でできるところは自分でリフォームをし、快適な家になりました。

■吉富町の移住定住促進特設サイト「すもうよしとみ」
https://www.town.yoshitomi.lg.jp/iju/

Q.移住への不安はありませんでしたか?

これまでも初めて住んだ土地に溶け込むことができましたし、新しい環境に不安を感じるタイプではないので、あまり不安に思うことはありませんでした。妻も賛成してくれましたし、その頃は子どももいなかったので、夫婦の暮らしだけを考えればいいという感じで、話が進むのも早かったです。

独立してひとり親方の大工に。船大工にも挑戦し、地域との繋がりが深まりました。

Q.現在の仕事を教えてください。

もともと独立をしようと思っていたこともあり、移住のきっかけになった中津市の工務店を退職し、2022年から個人で大工の仕事をしています。移住には不安がなかったのですが、子どもも生まれていましたし、独立には不安がありました。「仕事が来なかったらどうしよう」「地元ではない土地で営業ができるのか?」などと考えましたが、いざ独立してみると前職場との繋がりも続いていますし、お世話になっていた業者さんが仕事を紹介してくれるなど、誘いが多く忙しく働いています。また、商工会で教えてもらった「創業促進支援事業助成金制度」が利用できたことも心強かったです。

■吉富町ホームページ 創業促進支援事業助成金制度
https://www.town.yoshitomi.lg.jp/gyosei/chosei/v995/y209/chiiki/x104/22/

Q.吉富町に来て、仕事の幅は広がりましたか?

大工としての仕事は新築やリフォームなどの住宅系がメインですが、吉富町に来て船の修理の仕事も手がけるようになりました。きっかけは、近所の人から「漁師の知り合いが、船の修理ができる人を探しているんだけど誰かいない?」と言われたことです。豊前海に面する吉富町は古くから漁業が盛んですが、高齢などを理由に船大工がいなくなっていたそうです。そこで、漁港に様子を見に行ったところ、自分にもできそうだと思い、やらせてもらうことになりました。

船大工の仕事は、漁船の先端部分のヘリ等、木が使われている部分の修復が中心です。住宅の仕事では使わないようなサイズの材木を使ったり、曲線を切断しないといけなかったり、これまでとは違った技術や工夫が必要になるので苦労しましたが、修理が終わった船を見た漁師さんがとても喜んでくれて、私もうれしかったですね。こういった土地ならではの産業に携わることで地域密着度も上がると思うので、これからもっと地域との繋がりを深めていきたいと思っています。

船の上で作業を進める村岡さん。今では吉富港のほか、宇島港、中津港の漁師からも依頼があるそう。
船の上で作業を進める村岡さん。今では吉富港のほか、宇島港、中津港の漁師からも依頼があるそう。

Q.働くうえで、大変なことややりがいを教えてください。

独立したとは言え、仕事はひとりでするものではありません。いろんな業者さんが協力してくれて初めて成り立つものなので、そういった手配などは大変だと感じています。そして一番のやりがいは、やはり依頼主さんが喜んでくれることですね。また、出身地のみやこ町での仕事をもらった時は、地元へ貢献でき、うれしかったです。

少子化知らずの町 で3児の子育て中。将来、子どもと外遊びをするのが楽しみです。

Q.生活面の変化はありましたか?

住む場所が変わったからというより、吉富町への移住後に子どもができたので、生活がすべて変わりました。結婚してしばらくは子どもができず、半ばあきらめていたのですが、吉富町に来て3人の子どもに恵まれて夫婦でとても喜んでいます。移住がきっかけになったかどうかはわかりませんが、暮らしの変化がいい方向に現れたのだと思っています。

子どもの誕生を機に、妻の生活も変わりました。北九州市でベビーフォト専門の会社に勤めていた経験を活かし、子どものベビーフォトを撮影してSNSに掲載していたところ、たくさんの問い合わせをいただき、それを機に子どもの写真を中心とするフォトスタジオを開きました。女性がリラックスできるプライベート空間のスキンケアサロンも併設し、夫婦ともに忙しくも充実した生活を送っています。

妻・成美さんのフォトスタジオで家族撮影。吉富町に移住後、3人の子どもが誕生しました。
妻・成美さんのフォトスタジオで家族撮影。吉富町に移住後、3人の子どもが誕生しました。

Q.子育て環境はいかがですか?

全国的に少子化と言われますが、吉富町は子どもの数が減らず一定数を保っていると聞きます。のどかな土地ということもあり、子どもを連れているとご近所さんたちもよく声をかけてくれ、地域で子どもを見守ってくれる感じがありますね。上の子ども2人を預けている保育園でも、自然と触れ合いながらのびのびと遊んでいるようです。あとは0歳児から一時預かりをしてくれるところがあればもっといいですね。

村岡さんが家の中に自作したクライミングウォールに登るお子さん。
村岡さんが家の中に自作したクライミングウォールに登るお子さん。

Q.暮らしの中で楽しみにしていることはありますか?

休日は子どもと一緒に過ごしたいので、家の中で遊んだり、近くの公園に出かけたりすることが楽しみです。クライミングが好きでよく山に出かけていたので、子どもがもう少し大きくなったら一緒に山歩きやキャンプをして楽しみたいですね。今は家の中にボルダリングの壁を作っていて、子どもが登って遊んでいます。

家族と過ごすこと以外では、中津市で毎週日曜日に行われる骨董市を楽しみにしています。古いものが好きなので、ガラクタのような古道具の中から仕事に必要なものを見つけたり、妻のフォトスタジオの衣装として使える古い時代の着物を探したりしています。

Q.暮らしの中で不便なことはありますか?

普段の生活に必要なスーパーやドラッグストアなどは充実していますし、隣の中津市まで行けば何でもあるので、特に不便を感じることはありません。妻は忙しい時に「フードデリバリーがあれば」と言うことはありますね。あとは北九州空港まで車で40~50分くらいかかるのがちょっと遠いと思うこともありますが、地方に住んでいることを考えると近い方なのかもしれません。

Q.参加している地域の活動はありますか?

地域のネットワークを広げたいと思い、消防団や商工会に参加しています。全国的に担い手不足と言われる消防団ですが、私の地区は定員いっぱいで、空きが出るまで待って加入しました。地域との関わりを持ちたいという想いを持つ人が多いのかもしれないですね。商工会は違う業種の方とも出会うことができますし、いろんな話を聞いて新しいことを知ることが自分自身の勉強になると思っています。その他にも地域のイベントに夫婦で出店する等なるべく積極的にいろいろなところに顔を出すようにしています。

こういった地域との繋がりを作って周囲に溶け込むことで、家族のことも知ってもらい、子どもが町内で遊んでいても「村岡さんとこの子どもやね」と見守ってもらえるようになればと思っています。

小さな町なので人の輪も広がりやすく心を開けばフランクに接してくれる人ばかりです。

Q.実際に住んでみて感じた吉富町の魅力を教えてください。

面積が狭く、人口は6,600人くらいの小さな町なので、人と繋がりやすいところがいいですね。誰かと繋がれば、その知り合いの方を紹介してくれるといった感じで人の輪も広がりやすいですし、話もしやすくなります。新しく入ってきた私たちをすっと受け入れてくれるところも、移住者としてはとてもありがたかったです。

Q.福岡県に移住を考えている人にメッセージをお願いします。

新しい土地で暮らすことに不安を感じる人もいるかもしれませんが、あまり身構えることなく、飛び込んでみてもいいのではないでしょうか。もちろんいろんな人がいますが、自分自身が心を開いて積極的に触れ合えば、フランクに接してくれる人が多いはずです。吉富町はもちろん福岡県内には暮らしやすい市町村が多く、生活面で困ることは少ないと思いますので、興味がある方はぜひ一度遊びに来てみてください。

※当インタビューは、2025年1月14日に行われたものです。

こちらのインタビュー記事もおすすめです

  • 北九州市 ターン

    伊比 えりかさんインタビューページへ

    生まれ育った東京へはいつでも帰れるけれど、まだ、帰りたいと思ったことはありません。

    和布刈神社 職員 伊比 えりかさん

  • 北九州市 ターン

    柴﨑 哲和さんインタビューページへ

    終の棲家をどこにするか考えたとき、 頭に浮かんだのはやはり生まれ故郷でした。

    地域活動 柴﨑 哲和さん

ページトップ
へ戻る

ふくおかよかとこ移住相談センター

福岡窓口

〒810-0001 福岡市中央区天神1-4-2
エルガーラオフィス12階(福岡県若者就職支援センター内)
TEL・FAX:092-712-2325
営業時間:10:00~18:00(平日) 10:00~17:00(土日祝日)
※年末年始は休業

東京窓口

〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1
東京交通会館8階(ふるさと回帰支援センター内)
TEL・FAX:03-6273-4048
営業時間:10:00~18:00
※月曜、祝日、盆、年末年始は休業

Copyright ©Fukuoka Prefecture All rights reserved.