移住者インタビュー

LIFE STYLE 飯塚市

いい意味でコミュニティが小さい街。地元の生産者や起業家など、いろんな方と繋がることができます。

移住者DATA

Uターン

Profile
安藤 祐基さん(29歳)
Data
飯塚市出身。中学生のときに地元を離れて愛媛へ移り、その後、大学進学のため上京。2014年、家業の味噌蔵を継ぐために帰郷。2017年に母親とともに、味噌の加工品の開発・販売や食育事業を行う「Miso Labo(みそらぼ)」を立ち上げた。
Work
自営業(味噌店)

従来の味噌蔵の枠を超えた、クリエイティブな試みに共感。東京を離れることを決意しました。

Q. 移住のきっかけを教えてください。

元々、家業は継がずに東京で別の道を目指すつもりだったんです。とはいえ、100年くらい続く味噌蔵に対して「一人っ子の自分が継がないとどうなるんだろう」という気がかりもあって。だから「地元には戻らない」と思っていた反面、「いずれ戻るかもしれない」という思いも心の片隅にありました。

東京で就職して数年経った頃、実家の味噌蔵では、パンや野菜につける味噌を開発するなど、母が新たな取り組みにチャレンジしていました。商品が雑貨店で扱われるなど、味噌蔵の枠を超えた面白い展開に。実はちょうど、将来に対して「このままでいいんだろうか」という不安があり、東京に残ろうかどうしようかと悩んでいたところ、母から「できれば若い力で蔵をもっと盛り上げてほしい」「クリエイティブにかける思いを家業で活かしてみないか」と声をかけてもらったんです。いずれ家業を継ぐのであれば、早い方が良いということもあり、戻ることを決意。家族は「よく決心してくれた」と、とても喜んでくれました。

Q. 移住に際して、何か準備はされましたか?

実家に住むことが決まっていたので、部屋を探す必要もなく、特に準備はしていません。ただ、車の運転免許を持っていなかったので、真っ先に取得しにいきました。東京では、電車と自転車があればなんとかなっていましたが、こちらではそうはいきませんからね。Uターンのメリットは、特別な準備がいらないことと、地元なのでどこに何があるかを把握できていること。この2点は、まったく知らない場所に行くのとは大きな違いですね。

Q. 移住に際して、不安なことはありましたか?

中学で地元を離れて、地域との関係性が薄かったから、うまく馴染めるだろうかという不安はありました。しかし、消防団や商工会など地域の繋がりが強く、すんなりと受け入れてもらえました。私にとっては知らない方たちばかりでしたが、家族がこれまでに培ってきた人間関係があったので、温かく接してもらえました。

地域に新たな風を呼び込む会社やカフェに、「自分もやれるぞ」と勇気づけられました。

黒石をあしらった半ピラミッド型の「NERO BOTANICA」。スタイリッシュな飲食店や大切な人への贈り物選びに相応しいショップなどが集結。

Q. 久しぶりに住んでみて、街の印象は変わりましたか?

思っていたよりも、面白い街だなという印象を受けました。飲食店やショップが集まる「NERO BOTANICA(ネロボタニカ)」などおしゃれな建物やお店ができていて、街に新たな可能性を感じ、刺激になりました。また、地元の情報誌はデザイン性が高く、「飯塚にもこんなに面白いことをやっている会社があるんだ。自分も何かやれるかもしれない」と、勇気づけられたのを覚えています。

Q. 毎日の生活で、楽しいと思うのはどんなことですか?

映画を観に行ったり、友人と食事や買い物に行ったりと、のんびり過ごしている時ですね。福岡市内には大学時代の友人がいるので、みんなで集まってお酒を飲むのが一番の楽しみ。福岡市内で飲んでも、最終バスが遅い時間まで出ているので便利なんですよ。寝過ごしてしまったら大変ですけどね(笑)。

新飯塚駅からすぐの「アンジョルノカフェ」は、友人とよく利用するお気に入りの一軒。

Q. 移住してからの生活面の変化を教えてください。

移動手段が変わりました。先ほども言ったとおり、こちらは車社会です。最初のうちは戸惑いがありましたが、運転に慣れてくると、いろんなところに行けるので、逆に便利だと思うようになりました。また、地域の繋がりが強いという点にも驚きました。東京にいた頃は、隣の部屋に誰が住んでいるかすら知りませんでしたからね。

東京にいた頃とは違って、好きなようにのびのびと働けています。

福岡市内の博多伝統工芸館で開催されたイベントにて、母とミソスープを販売したときの様子。

Q. お仕事について教えてください。

しばらく家業を手伝っていましたが、2017年に母と一緒に、味噌の加工品の開発と販売、味噌作り教室などのワークショップを行う会社「Miso Labo」を立ち上げました。ふたりでよく喧嘩をしながらも、力を合わせて頑張っています(笑)。自分は、催事などへの出店の中で試行錯誤を重ねながら、商品の企画・製造・販売を行っています。東京で働いていた頃は「大きな組織の中の末端」という気がしていましたが、今は自分が好きなようにのびのびと働けています。やりがいを感じるときは、お客様の「美味しい」と喜んでくれた顔を見たとき。「おたくの味噌しか買えない」と言っていただいたときは、すごく嬉しいです。

Q. 飯塚市は、起業しやすい環境だと思いますか?

行政からの助成金(※1)があり、商工会からはセミナーや商談会を紹介してもらえるので、やる気さえあれば起業しやすいと思います。なにより飯塚は、いい意味でコミュニティが小さいから、生産者やIT企業を営んでいる方々との繋がりを作りやすいんですよ。「(一社)福岡県中小企業家同友会」(※2)の集まりなど、起業家が集まるイベントもたくさん行われています。参加することで、まちづくりに対して同じ意識をもった方々と知り合え、さらにイベントに誘っていただいたり、味噌作り教室を依頼していただいたりと、仕事に繋がることもあります。味噌のパッケージデザインをお願いしているデザイナーさんとも、「福岡県産業デザイン協議会」(※3)を通じて知り合ったんですよ。

※1:飯塚市新産業創出
飯塚市では、市内での起業を行う事業者に対して、様々な支援・助成を行っている。
飯塚市公式ホームページ 新産業創出について(外部リンク)

※2:一般社団法人 福岡県中小企業家同友会
よりよい会社づくりを目指す経営者の団体。福岡県下には、21支部があり、2000名を超える会員が活動している。
一般社団法人 福岡県中小企業家同友会ホームページ(外部リンク)

※3:福岡県産業デザイン協議会
福岡県における産業デザインを振興し、福岡県経済の発展に寄与することを目的として設立。デザイン開発ワークショップやデザイナーマッチング支援などを行う。
福岡県産業デザイン協議会ホームページ(外部リンク)

ビジネス講演会などで訪れる嘉穂劇場。安藤さんのお母様は、ここで創業時にプレゼンしたことも。

Q.これから、この街でどう暮らして行きたいですか?

いずれはこの会社の代表として、規模を大きくしていくことで、味噌の魅力をたくさんの人に伝えられたらと思っています。もっと大きな目標でいくと、味噌にとらわれず、発酵の文化を日本全国、そして海外にも発信していきたいですね。味噌や糀は、日本人のソウルフード。それをどうやったらもっと慣れ親しんでもらえるかを考えていきたいです。それこそ、若者がコーヒー感覚で味噌汁を飲むくらい身近なものになるのが理想。そのために、情報発信やイベント開催に力を入れていきたいと思います。

福岡市と北九州市にアクセスしやすく、土地も安い。飯塚市は、福岡県で最初に住む街として最適です。

Q. 福岡の魅力を教えてください。

やっぱり住みやすいという点ではないでしょうか。福岡市は空港や駅にアクセスしやすいので、他県への移動が便利。また、都市機能が博多と天神に凝縮されているので、あちこち行かずにひとつのエリアで完結できます。これから再開発も進んでいくと思うので、ますます楽しみですね。そんな福岡市に県内各地から短時間でアクセスできるのも福岡県の魅力の1つ。こういった魅力には、一度東京に住んでいたからこそ気づけたのかもしれません。ずっと福岡にいると、どうしても当たり前に感じてしまうでしょうから。

Q. 移住を考えている方にメッセージをお願いします。

飯塚は地域の繋がりが強いので、やる気さえあれば、仕事の心配は少ないと思います。小中一貫教育に力を入れている学校もあるので、子育てをする方にもおすすめです。また、福岡市と北九州市の両方にアクセスしやすいし、そこよりも土地の価格や家賃が安い。福岡県内で、最初に移住する街として最適ですよ!

※当インタビューは、2018年8月30日に行われたものです。

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