移住者インタビュー

LIFE STYLE 太宰府市

いつも頭にあった「いつか地元へ」。夫婦の夢である、洋菓子店を開きたい。二つを叶えるため、福岡に帰ってきました。

移住者DATA

Uターン

Profile
菅さんご夫妻(51歳、45歳)
Data
夫・祐一さんは大川市出身。東京のホテルでパティシエとして勤務していた時に、同じパティシエとして働く埼玉県出身の妻・由香さんと出会い、結婚。二人の夢である洋菓子店を開くため福岡に帰郷し、1998年、太宰府市に「ルクプル」をオープンした。
Work
洋菓子店経営

仕事の都合でいろいろな場所で暮らしましたが、実家の近くに住みたい、そして自分の店をもちたいとずっと思っていました(祐一さん)

インタビューを受ける祐一さんと由香さん

Q. 移住のきっかけを教えてください。

祐一さん:高校を卒業後、ホテルで料理人として働くうちに、洋菓子に興味を持つようになり、パティシエの道に転向しました。勤めていたのは東京や広島、宮崎のホテルの洋菓子部門です。妻とは、東京のホテルで働いている時に出会い、結婚しました。地元を離れて約15年。だんだん福岡に帰りたいという気持ちが膨らんできました。私は長男ですので、やはり両親の近くに住みたい。そして、二人の夢である自分の店をもちたい。この二つを叶えるなら福岡がいいだろうと考えるように。太宰府市に引っ越す前は宮崎市で働いていたのですが、前職を辞める1年前には、福岡への移住の準備を始めていました。

由香さん:私は、福岡に興味があったので抵抗はなかったです。若かったですし、知らない土地に住んでみることへの期待もありましたね。夫の実家に帰省した時にも、便利な土地だと思っていました。

Q.移住先に太宰府市を選んだ理由を教えてください。

祐一さん:店を開くなら中心部からほどよく離れた場所がいいと思っていました。地元の先輩が不動産関係で働いていたので、いくつか候補を出してもらい、いろいろな場所を見ましたね。その中の一つがここでした。実家の大川市と福岡市の間にあるので何かと便利だろうと思ったのが決め手です。実家からは車で1時間くらい、福岡市の中心部には30分くらいで出ることができます。

由香さん:太宰府は緑にあふれる歴史の町。訪れた時に、街の雰囲気に魅力を感じました。私の実家は埼玉ののどかな場所なので、どこか共通するところも感じて…。でも実家は関東平野にあるので、山に囲まれた太宰府の風景を新鮮に感じたことを覚えています。また、1人目の子どもが生まれたばかりでしたので、子育てをするにもいい環境じゃないかなと思いました。

1998年に開店した夫婦で営む「ルクプル」
1998年に開店。フランス語で夫婦を意味する「ルクプル」を店名に。
岩屋城跡からの景色
太宰府市にある史跡の一つ、岩屋城跡からは自然豊かな市街地が一望できます。

知り合いがいない太宰府での暮らし。最初は不安もありましたが、自然とコミュニティが広がりました。(祐一さん)

Q.移住に際して、不安なことはありましたか。

祐一さん:同じ福岡県ですが、地元ではないので、知人がいないことが最初は不安でしたね。大川まで行けばいるんですが、太宰府にはいない。でも、店を始めたらお客さまとの間や、子ども関係などで自然とコミュニティは広がっていきましたね。

由香さん:太宰府市内で最初に住んだ場所はお年寄りが多く、子どももあまり見かけなかったので「相談し合える同世代の夫婦がいないかも」「子どもが一緒に遊べる友だちがいないかも」とちょっと不安になりましたが、おじいちゃんおばあちゃんにとてもよくしてもらいました。18年も経つので、今はすっかり地域に溶け込んでいます。最近は、太宰府市も世代交代が進み、若いご夫婦が移住されることも多いと聞いています。そして最初は耳慣れず、ちょっと「きついかな?」と感じた福岡の言葉も、今では私が話しています(笑)。

Q.どんなことに苦労されましたか。

祐一さん:移住と同時に店を始めたのですが、商売も考えていたようには行かなくて…。そこが一番大変でした。ホテルに長く勤め、すぐに自分で店を開いたので個店のやり方がわかっていなかったんですね。ホテルを辞めた後、一度規模の小さい洋菓子店で働けばよかったと今は思います。

由香さん:二人とも裏方のパティシエだったので、接客をしたことがなかったんです。「話しかけた方がいい?それともそっとしておいた方がいい?」という風に、お客さまに対する距離感がなかなかつかめなくて…。夫も私も人見知りしやすいタイプだったんです(笑)。そこが大変でした。

祐一さん:職人気質だったんですよね。でも、基本的にポジティブ思考なのでどうにかなるだろうと思っていました。接客も年月を重ねるうちに、慣れてきましたね。

接客の様子
開店当初は苦労した接客も、自然体でできるようになりました。
シュークリーム
シュークリーム(1個130円)はオープン以来の人気商品です。

夫の実家が近いという安心感。特に子どもが小さい時は、何度も助けてもらいました。(由香さん)

Q.移住してよかったと感じるのはどんな時でしたか。

由香さん:やはり夫の実家が近いという安心感が大きかったです。共働きでしたので、特に子どもが小さい時は助けてもらいました。忙しい週末ともなれば、義母に子どもたちを預け、日曜の夜に仕事が終わってから迎えに行っていたのが懐かしいです。

祐一さん:そして、こちらの方々との人脈ができたのもうれしいことです。太宰府は勉強家が多いと感じます。歴史好きの方が多かったり。そういう方と触れ合うことで刺激を受けますね。また、仕事前の朝6時から始まる異業種交流会に定期的に出かけたりして、さまざまな方と交流するのも楽しいですね。

趣味の音楽でも輪が広がり、今ではライブの企画を楽しくやっています。(祐一さん)

祐一さんが企画し、2016年11月に行われたライブのフライヤーを手に。
祐一さんが企画し、2016年11月に行われたライブのフライヤーを手に。

Q.地元の方々との交流はありますか。

祐一さん:私は音楽、特にロックが大好きなのですが、その関係で仲間が増えました。よく行っていたライブの主催者さんとのご縁があり、一昨年からは私自身が太宰府市内でのライブを企画するように。今は年間6本ほどを行い、アーティストのブッキング(出演契約等)やチケットの販売、フライヤー(チラシ)の作成などをしています。それはもう楽しい時間ですよ。

由香さん:私もほぼ毎回ライブに足を運んでいます。夫ですか?楽しそうにやっていますよ。お菓子の方ももっと頑張ってと思っていますが…(笑)。

都心に近く、自然はたくさん。
子育てにはとてもいい環境でした。(由香さん)

インタビューを受ける菅さんご夫婦

Q.太宰府市のいいところを教えてください。

由香さん:太宰府市は、特に交通の面で便利ですね。電車でも車でも福岡市内に出かけやすいですし、高速道路のICも近いので遠出もしやすいです。福岡空港も近いので、埼玉に帰る時も便利です。また、子育てにはとてもいい環境だと思います。子どもが小さい頃は大きな広場がある大宰府政庁跡やアスレチックがある梅林公園などによく連れて行っていました。自由に走り回って遊べる場所が多いですよ。遠くから友人が来た時には、歴史を感じられる観世音寺や戒壇院、四季折々の景色を楽しめる竈門(かまど)神社に案内すると喜ばれます。

お子さんとよく遊んだ「大宰府政庁跡」
お子さんとよく遊んだ「大宰府政庁跡」。7世紀後半に外交の窓口となる大宰府が置かれました。
アスレチック遊具が豊富にある「梅林公園」
子どもが遊べるアスレチック遊具が豊富にある「梅林公園」。
「観世音寺」に隣接する臨済宗の寺院「戒壇院」
「観世音寺」に隣接する臨済宗の寺院「戒壇院」。761年に建立された歴史ある寺院です。
>縁結びの神様として知られる「竈門神社」
縁結びの神様として知られる「竈門神社」。2012年に完成した、デザイン性の高い社務所や参集殿も話題に。

Q. これから太宰府市でやってみたいことはありますか。

祐一さん:太宰府市ならではのお菓子を作りたいですね。いまも「太宰府マドレーヌ」や「太宰府しあわせプリン」などを作っていますが、もっと素材やネーミングにこだわったものを作っていきたいです。福岡は食が豊かな場所。フルーツなど、地元の食材を使った新作を考えたいですね。また、カフェを開いたりすることも考えているんです。構想はいっぱいあるんですよ。(笑)

由香さん:私はもう少しで子どもたちも手がかからなくなるので、これまでできなかったこともやっていきたいです。好きだけど時間がなかったのでできなかったガーデニングも始められたらいいですね。

美味しそうなケーキが並ぶショーケース。
美味しそうなケーキが並ぶショーケース。キャラクターケーキも人気です。
>「太宰府マドレーヌ」
「太宰府マドレーヌ」は手みやげにするお客さまが多いのだそうです。

今は情報を仕入れる手立てがたくさんある。調べて、足を運んで、移住先を選んでください。(祐一さん)

インタビューを受ける祐一さん

Q.移住を考えている方にメッセージをお願いします。

祐一さん:私が移住した18年前とは違って、今は情報を調べやすいですよね。事前にインターネットなどで土地を知ったり、移住の制度について調べたり…いろいろ準備ができると思います。私も商工会とかに早くから入っておけばよかったと今になって思います。もし、店を開くなら融資のことも調べておくといいですよ。そして、実際に現地に足を運ぶのもやはり大切です。場所を見て感じることがあるはず。インターネットの情報も、自分の足で稼ぐ情報も両方を駆使して移住先を選んだほうがいいと思います。

※当インタビューは、2016年9月6日に行われたものです。

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