フルリモートでもオフィスを構えるワケとは？入居インタビュー「WAmazing株式会社」
2022.10.14
WAmazing株式会社（以下、WAmazing）
伊田様（取締役）
印藤様（福岡オフィス）
古賀様（福岡オフィス）
――では、取締役の伊田様にお伺いします。
はじめにWAmazingの事業内容を教えてください。
伊田様 創業時（2016年）は、「訪日外国人向けの観光プラットフォームをつくろう！」と、スマホ１つで宿泊先から交通チケット、観光体験の予約等ができる環境を目指していました。しかし、2020年からのコロナ禍の影響により、これらの事業の売り上げがほぼなくなってしまいました・・
会社が生き延びるために、行政等から観光業プロモーション受託等で事業を継続してきました。その中で、各自治体と構築した観光商材を当社のプラットフォームに乗せて、訪日外国人向けにPRできる環境もつくろう、と動いています。今年2022年10月から個人旅行の入国制限も緩和されましたので、これからますます両輪（2事業）を回していこうとしています。
――福岡県に進出した経緯を教えてください。
伊田様 最初は、社長宛にベンチャー企業系のイベントなどで「福岡で採用をしないか」というお話があり、採用するにあたってはオフィスがあった方が採用力アップにもつながると、セットで話がありました。
元々、当社は全国どこでも（世界どこでも）働ける環境は整えています。北は札幌市、南は石垣島まで。ただ、本社が関東にある関係上、九州地方への事業展開がまだまだ途上であったため、九州への進出は検討していました。その中でも「まずは九州の拠点として福岡にオフィスを」ということで検討していました。
――福岡オフィスはどの業務を重点的に、という戦略はありますか？
伊田様 「訪日外国人向けの観光プラットフォーム作成」と「自治体と構築した観光商材の発掘」の両方ですね。九州地方の自治体にまだ窓口を設けられていなかったことと、九州各地にある観光商材をもっと活かせたらと思っていますので、これから、ですね。
福岡オフィスができたことで、これから採用する人が増えて事業拡大を目指したいですね。
古賀様 一緒に働く人が増えるのは楽しみです。
――福岡市、特に大名となると他にもコワーキングスペースなどオフィスとなりうる場所はあったかと思いますが、この施設（CREATIVE ROOM）への入居の決め手になった部分はどこでしょう？
伊田様 「託児所付き」という点ですね。今後、労働人口が減っていく中「地方に住みながら働ける環境」を広げていくときに、子供を身近で見守りながら仕事ができる場所というのは、採用において強みにもなると考えています。
印藤様 私は、CREATIVE ROOMで開催されたイベントをきっかけにWAmazingに入社しました。元々WAmazingに興味がありましたが、敷居が高いと感じていて・・(笑)
実は子供が4人いるのですが、「4人のママでいること」と「してみたい仕事」の間に「時間や場所の制限」があってなかなか福岡で仕事を見つけられなかったんです。
そんな中、WAmazingも参加するイベントが、CREATIVE ROOMで開催されることを知り、しかも託児付きということで『ママ目線で社員に寄り添ってくれるんだろうな』と感じ、イベントに参加しました。すると、下の子は保育園にも通っていないのに、あっという間に託児ルームで慣れた様子でした。それらが決め手となり、WAmazingに応募して入社しました。
――まさしくこのオフィスのおかげでつながったご縁ですね。
――お二人が実際に入社し、CREATIVE ROOMで働く中での感想を教えてください。
古賀様 CREATIVE ROOMの運営スタッフさんの親身さがとても心地よいです。CREATIVE ROOM内にはドリンク無料や、Wi-Fi、プリンター等の備品もそろっているので、困ることなく快適に仕事ができています。
印藤様 WAmazing自体がフルリモートで仕事ができる環境にはありますが、やはり仕事上オフィスに出社しないといけない状況になったとき、託児があることで安心して働けますね。親としても、働く人としても、両方がかなう場所です。
――フルリモートの環境は整っていても、やはりオフィスが必要だと感じますか？
伊田様 フルリモートを実施してみて分かったことは、ずっと在宅の状態が辛い人もいます。オンラインとオフライン（オフィス出社）の組合せで、全国どこでも働ける状態がベストだと思っています。オフラインでしか生まれない「横のコミュニケーション」や「気分転換」、「雑談」の中にビジネスヒントがあったりしますから。
――ちょっとした雑談は、確かにオンラインではやりづらさを感じますね。
――リモートワークは増えており、ワークライフバランスの充実につながっていると思いますが、「今後もっとこうなったらいいな」と思うことはありますか？
伊田様 採用をしていて気づいたのですが、リモートワークといっても「何時間は連続して働かないといけない」という意識が根付いていることですね。子育てしていると、朝起きてご飯を作ってから仕事して、掃除して仕事して、洗濯して仕事して、といった「細切れ」スタイルができるといいですよね。これができないために埋もれている人材がたくさんいると思います。
印藤様 子供の送迎で仕事を一時中断するとか、病院に連れていくとか、細切れになることは沢山あるので本当に助かります。WAmazingでは社内SNSでそういった中断時に報告すると「行ってらっしゃい」「お大事に」など温かい声をかけてもらえますし、こういったフレキシブルなことはオフィスに常に出社していると絶対にできないですね。
伊田様 働きたいのに働けない方が、リモートワークを機に戻ってこれるといいですね。
――福岡にオフィスを構える魅力はどんなところでしょう？
古賀様 僕たちがいる福岡市大名地区は、ランチができる場所が多いので嬉しいです。また、ちょっとした気分転換に外に出てみると、ファッションや様々な店が多いので歩いていても楽しく、集中力のオンオフがしやすいです。大名に限らず、買い物は「福岡」の中で完結できます。
あとは、ランニングコースとして有名な大濠公園までも公共交通機関を使ってすぐに行けますので、仕事を早めに切り上げて走りに行ったり、ワークライフバランスがとりやすいです。
住むところ、働くところ、どちらをとっても「福岡」以外では住めないですね。
前職では、出張などで東京へ行くと満員電車に揺られて疲れてしまって。都市圏では当たり前のことですが(笑)
印藤様 移動がどこでも近い点ですね。博多駅・西鉄福岡（天神）駅・福岡空港の3拠点が地下鉄を使えばすぐ着きます。空港まで都市圏から近い、というのはとても大きいポイントです。
古賀様 アジアの玄関口としても福岡は魅力的です。コロナ前は外国人観光客も多かったですし。
――WAmazingと「まち」としての福岡との関わり方を何か考えていらっしゃいますか？
伊田様 まだ積極的に「福岡にこんな場所・観光ポイントがある」というところを発見できていないので、アプローチして連携していきたいと思っています。
また、弊社の採用の観点では、弊社からの情報発信（こんな人を募集しています等）がうまく求職者に伝わっていないと感じているので、「福岡ならでは」のアプローチ方法があるとぜひ連携したいなと思っています。
――福岡県と一緒に取り組んでみたいことはありますか？
伊田様 福岡県内で外国人に来てほしい地域（自治体）があれば、積極的に連携したいですね。
「観光資源の情報を外国人へ届ける」ことはもちろんですが、「うちには観光資源がない」という自治体さんには、観光資源の発掘からサポートしていきます。意外と、地元にとっては普通のことでも外国人にはウケる、ということをなかなか見つけられないことも多いのです。
外国人×観光誘致は、任せてほしいです。
――確かになかなか地元の魅力って自分たちでは見つけられないこともありますね。
よその土地の人から言われてはじめて気づく、ということですね。
伊田様 そうです。そして、日本人受けするものが、外国人にも必ずしも受けるということもなく、逆もまた然り、なんです。
古賀様 まさしくそういった事例があります。ある自治体さんで、地元の人にとっては当たり前の「風景」を「観光資源」にしようと動いています。日本人（地元）には気づかない魅力を私たちで発見し、育て、発信していくことが私たちの仕事です。
伊田様 福岡のことが好きで、一緒に発信したい！という方がいらっしゃればぜひ一緒に働きたいですね。
――これから福岡に移住してみようと考えている方へ、ぜひ先輩方のアドバイスをお願いします。
伊田様 いきなり福岡に引っ越す、というのはハードルが高いと思うので、各自治体がPRしているワーケーションなどを活用して色々なところに行ってみて、その土地を知ってから決めてもいいと思います。
その上で、やはり「仕事をする場所」としてCREATIVE ROOMのようにドロップインもできるコワーキングスペースがあるととても助かります。
福岡に来たことがない人にとっては、感動する場所だと思います。アクセスよし・ごはんおいしい・安い・人が優しい、と住みたくなるポイントが高いです。他都市でもここまでポイントがそろうのはなかなかないです。
古賀様 福岡のことを悪く言う人、聞いたことないです。
印藤様 異動で福岡に来て、そのまま定住する方も多いですよね。
伊田様 弊社はフルリモート体制なのでオフィスにとらわれることはないと思われがちですが、コロナ禍以前は東京にオフィスを構えて首都圏からの採用がほとんどだったので、採用の競争率が高く時間もかかっていました。しかし、コロナ禍をきっかけに事業展開も変化してオフィスを地方へ広げたことで、採用する母集団を広げると採用競争率と時間が大幅に短縮されました。地方へ出ることはそういったプラスの面もあります。
――最後に一言、メッセージをお願いします！
古賀様 地方における課題はどこも「人口減」だと思います。自分があと２０～３０年働くと考えたときに、WAmazingはこの課題に対して「外国人×観光」という点で取り組んでいるので、これからも福岡で、この会社で、頑張りたいと思います。
印藤様 私も同じ気持ちです。
伊田様 人口を自治体同士で取り合っても仕方ありません。事業の両輪を回して、人口減に対する課題に取り組んでいきたいと思います。
WAmazing株式会社が入居しているオフィスはこちら
福岡市 大名
CREATIVE ROOM
全国的に珍しい託児付コワーキング・サテライトオフィスです。多様な働き方が加速する中、子育て世代が活き活きと働きやすい環境を提供しています。
防音対策に配慮した託児スペースには保育士等の有資格者がおり、内装は木材を使用し安心で暖かい落ち着いた空間です。
入居者はキャリアコンサルタントによる相談・支援が利用できるなど新しいビジネスのつながり、仲間づくりができる環境となっています。
所在地：福岡市中央区大名1丁目3-32ラ・コルテ大名203
