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「オール豊前市で街を活性化していきたい」という思いが進出の決め手に。「株式会社スチームシップ」

「オール豊前市で街を活性化していきたい」という思いが進出の決め手に。」​

2023.11.24

株式会社スチームシップ(以下、スチームシップ)
藤山様(Captain/CEO)
久野様(豊前ポルト 地域ディレクション部カスタマーサポート)
幸田様(豊前ポルト 地域ディレクション部カスタマーサポート)
 
――はじめに、「スチームシップ」の事業内容を教えてください。
 
藤山様 「スチームシップ」は、地域密着型でふるさと納税の支援事業を行う会社です。“地域のブランド価値を上げていく”ことを目標に、自治体と事業者様に向けた返礼品の企画・提案、自治体のWebページの立ち上げおよび運営代行、カスタマーサポートなどの業務を一括で請け負っています。それぞれの地域は、食材、芸術作品、自然などさまざまな宝であふれている―、「スチームシップ」はそんな宝を見つけて、たくさんの方へ届けるための“船”なのです。

2023年11月時点、本社のある長崎県をはじめ、福岡県、佐賀県、熊本県、広島県、岐阜県など、計31の自治体から業務委託を受けています。さらに、愛知県にある自治体の支援もすでに決定しています。創業から6年半が経過し、今年度までのふるさと納税における寄附額の累計は、約560億円に達する見込みです。

 
――豊前市に進出した経緯を教えてください。
 
藤山様 街づくりなどを手がける、株式会社ホーホゥの代表取締役・木藤亮太さんにお声がけいただいたのがきっかけです。一度、豊前市に来てほしいとのことで伺ったのですが、地域の皆さんの“自分たちの街をなんとかしたい”という想いがひしひしと伝わってきて。しかも、すごくいい方ばかりで、この方たちとなら面白い未来を作ることができそうだと感じ、皆さんの“船”に乗せていただきたいと思うようになりました。

そのなかで“私たちにできることはなんだろう”と考えたところ、ふるさと納税の寄附額を向上させることで、豊前市や事業者様の力になるということでした。そして、プロポーザル(企画提案公募)に参加させていただき、結果的に今こうして一緒に仕事をすることができています。ふるさと納税の業務を行うだけであれば、必ずしも豊前市に拠点を置く必要はないのですが、豊前市の雇用創出や街を盛り上げたいという気持ちが強くなり、2023年にサテライトオフィスを構えることに。単にふるさと納税の寄附額を上げるだけではなく、地域の皆さんと力を合わせて、“オール豊前市”で街を活性化していきたいと思ったのが進出した決め手です。
 
――豊前市のサテライトオフィスで行っている事業について教えてください。
 
藤山様 カスタマーセンターとして、寄附者様と事業者様からのお問い合わせ対応、返礼品の受注や発注の手配などを行っています。お問い合わせ内容は、寄附者様からの場合は返礼品の内容や税金に関する書類の記入方法などがメインです。事業者様の場合はこちらから連絡することが多く、返礼品の出荷時期を確認するなど、寄附者様に滞りなく返礼品をお届けできるようにしっかりと連携しています。
 
 
――サテライトオフィスがもたらすメリットや可能性について教えてください。
 
藤山様 サテライトオフィスとしてお借りしている「ZigZag」という施設は、街と人をつなぐ新たな拠点として2023年4月に誕生しました。サテライトオフィス以外にも、イベントやセミナーができるホール、カフェスペース、ドロップイン(一時利用)のワークスペースがあり、多種多様な繋がりをもつことができる場所だと考えています。この空間での出会いをきっかけに、新たなアイデアが閃いたり、ビジネスが誕生したりといった、まったく想像していなかった化学反応が起きるかもしれません。これこそがサテライトオフィスの役割であり、醍醐味と言えるのではないでしょうか。
 
豊前市にサテライトオフィスを構えることが決まり、すぐに求人を開始しましたが、適した人材の採用・育成にはそれなりに時間がかかります。その間は糸島ポルト(支社)にいるメンバーが月に数回、豊前市に足を運び、地域の方との関係性を築いていました。現在、オフィスには幸田と久野の2名が常駐しており、豊前市、築上町のお客様を担当。常日頃から地域の方の声を直接ヒアリングすることができています。
 
久野様 事業者様との距離が近いので、お困りごとがあった時に、すぐに駆けつけることができます。スピーディーに解決することで、事業者様とより深い信頼関係を築くことができるはずです。実際に、「こんなに早く来てくれるんですね」と感謝されることもよくあります。

 
――会社として、どのようなかたちで地域と関わっていますか?
 
藤山様 豊前市に進出したばかりなのでこれからですが、地域にいきいきと働ける場所があることを発信することで、若い世代が希望を抱けるような街にしたいと思っています。すでに、糸島ポルトの1階にあるコーヒースタンド兼コワーキングスペースでは、糸島市のふるさと納税に出品していただいている事業者様のカップを使用させていただいているほか、近隣のお店のリーフレットを置かせていただいています。そうすることで、誰もが気軽に地域の魅力を体感できる場所になればと考えています。機会があれば、豊前市にも同じような場所を作ることができたらいいですね。
 
幸田様 豊前市では事業者の方々が集まって、交流会やミーティングをよく行っています。まさに昨日も、30名以上の方々が集まる交流会に参加させていただいたのですが、仕事や人間関係、そして地域に対して情熱的な方ばかりでした。ありがたいことに会話のなかで、「取引先にスチームシップのことを紹介してもいい?」と言われることも。私たちの力だけでなく、周りの方々のおかげで繋がりが増えていっていることを実感しています。

――事業の今後の展望について教えてください。
 
藤山様 まずは、しっかりと結果を出すことですね。ふるさと納税の事業は、数字ではっきりと結果が出てしまうので、自治体の期待にしっかり応えていきたいです。そのうえで、単に寄附額を上げるだけではなく、地域に密着したかたちで、自治体や事業者様に喜んでいただけるサービスを作っていきたいと考えています。
 

人との距離感が近い福岡。豊前市は、その土地ならではの味覚も魅力です。


――幸田様と久野様が、豊前市で働くことになった経緯を教えてください。
 
幸田様 もともと転職を考えていたのですが、街と自然が共存していて、買い物をするお店がたくさんあって暮らしやすいので、勤務先はこれまでどおり福岡県以外は考えていなくて。県内の企業を探していたところ、「スチームシップ」が豊前市のサテライトオフィスの立ち上げメンバーを募集していることを知りました。基本的に、県内であれば勤務地を問わないという気持ちで応募しましたが、立ち上げに関わることに魅力を感じて。好きな自然が身近にあるということもあり、可能であれば豊前市で働きたいという要望を伝えました。
 
 
久野様 私は19年間、地元の大分県中津市で働いてきたので、次は他県で働いてみたいと思っていました。通勤の負担が少ない近隣の福岡県で転職先を探していたところ、「スチームシップ」と出会ったんです。前職では林業として地域貢献に携わっていたこともあり、“ふるさと納税で地域を盛り上げる”という点に興味が湧いて応募しました。


――ご家族の反応はいかがでしたか?

幸田様 子どもの手が離れていたので、特に相談せずに転職しました。採用が決まった後に、ふるさと納税の支援を通して地域を盛り上げる仕事だと伝えると、「面白そうだね」と応援してくれました。また、ふるさと納税にも興味を持ってくれるようになったのもよかったですね。

久野様 転職することに対して応援してくれ、豊前市で働くことが決まってからは、早く帰宅できるようになるということで喜んでくれました。以前は通勤に1時間もかかっていたので、家族と過ごす時間を十分に確保できていなかったんです。現在は、車を使って15分ほどで通勤できます。豊前市って、中津市からとても近いんですよ。

――仕事への意識やライフスタイルの変化はありましたか?

幸田様 前職もカスタマーサポートだったのですが、お客様に回答する内容があらかじめ用意されていたので、基本的に決められたとおりに進めていました。しかし今は、お問い合わせの内容が様々なので、臨機応変にお答えする必要があります。以前にも増してお客様に寄り添っているという実感があり、そのぶん、責任感が強くなりました。

久野様 一日の時間の使い方が変わりましたね。以前は子どもたちに見送られて出勤していましたが、通勤時間がかなり短縮されたことで、子どもたちを見送り、さらに夕飯の準備や掃除をしてから出勤できるようになりました。また、前職では仕事を持ち帰ることもありましたが、今は忙しい時は糸島ポルトにいるリーダーが「何か困ったことはない?」とフォローしてくれるので、定時に退社できることがほとんどです。リーダーとは距離が離れていますが、社内のチャットツールを活用しているので特に問題はありません。

――働くなかで感じた福岡県と豊前市の魅力を教えてください。

幸田様 福岡県の魅力は、屋台文化に代表されるように、人との距離感が近く、気軽に交流を楽しめることだと思います。特に豊前市は親密度が高く、ちょっとした顔見知りでも身内のように接してくださる方が多い印象を受けます。お店で「試作品を作ったから食べてみて」とサービスしていただくこともありますし、昨晩の交流会でお会いした方は、私よりも歳がずいぶん上にも関わらず、とてもフレンドリーに接してくださいました。また、福岡県は食べ物が美味しいとよく言われますが、豊前市には「豊前海一粒かき」や「豊前本ガニ」など、ここでしか味わえない味覚があります。安くて美味しい飲食店も充実していますよ。

久野様 福岡県には、イベントやお祭りもたくさんあります。豊前市でも、「ZigZag」の1階にあるカフェではマルシェがよく開かれていますし、私が担当している築上町の航空自衛隊築城基地では毎年、航空祭が行われています。今後は地域のイベントに顔を出して、皆さんとの交流を深めていけたらいいですね。
 

 
――最後に、福岡県で起業・ビジネス進出を考えている方へのメッセージをお願いします。

藤山様 福岡市内にはすでにたくさんのスタートアップ企業がありますが、たとえば豊前市や糸島市はまだそれほど多くなく、新たに進出するとそれだけで企業の希少性が増します。そして、その地域でだからこそできること、その企業だからこそできることが付加価値となり、ほかの企業との差別化にもなるはずです。結果的に、唯一無二の価値の創出に繋がる可能性が高いと思います。起業・ビジネス進出を狙うなら、都市圏以外も面白いかもしれませんよ。
 

株式会社スチームシップが入居しているオフィスはこちら 

 「ZigZag」
https://zigzag-buzen.com/
住所:福岡県豊前市八屋2025-2

 
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