Iターン
- Profile
- 石倉つくしさん(25歳)
- Work
-
会社員
Q.福岡県に移住したきっかけを教えてください。
大学生までは京都府に住んでいて、就職のために東京に行きました。新卒で入社したのはタクシーやハイヤーなどのサービスを行う交通系の企業です。総合職として採用されたのですが、就職した2020年の春にちょうど新型コロナウイルスの流行が始まって…。会社も大変な状況になり、収支を成り立たせるために私もタクシーの運転手として勤務することになりました。社会人として働く初めての経験ということもあり、楽しく刺激もありましたが、この仕事が自分に合っているのかわからず「このままで大丈夫かな?」と悩みながら続けていました。また、生活費の高さなどを考えて、ずっと東京で暮らすのは難しいのではないかと考えるようになりました。
Q.北九州市を移住先に選んだ理由を教えてください。
移住を検討するようになった時、真っ先に思いついたのが北九州市でした。東京で仲良くなった友人が北九州市に移住していて、私も何度か遊びに来るうちに住みやすそうだと感じていたからです。本格的に移住を計画し始めたのは移住の半年前くらいだったと思います。ほかの都市も検討しましたが友人がいる心強さもあり、北九州市が最終候補地になりました。
もうひとつの決め手となったのは、「北九州市U・Iターン応援オフィス」の職員さんの手厚く移住者に寄り添ったサポートです。まだはっきりと移住を決めていない時から電話で相談をし、さまざまな制度や就職支援などについて教えていただきました。当時はまだよく知らない土地でしたが、最初に接した職員の方たちの優しさが北九州市の魅力に繋がっていきました。
Q.移住に際して利用した制度はありますか?
「U・Iターン応援オフィス」の職員さんが移住に関する支援制度を教えてくださり、要件に当てはまっていたので利用しました。ファミリー向けや若者向けなどそれぞれに対する支援が用意されていて、利用しやすいのがよかったです。引っ越しや新居の準備などでお金がかかるのですごく助かりました。
Q.家族の反応はいかがでしたか?
京都に住む家族は、北九州市に来たことがないので最初は心配していました。先日、実家に住む妹が遊びに来たので北九州市内のいろいろな場所に一緒に出かけたら、最後には「帰りたくない」というほど気に入ってくれたので私もうれしかったです。妹から私の様子を聞いた両親も、安心してくれていると思います。
Q.移住への不安はありませんでしたか?
地元を離れて東京で暮らしていましたし、小学生の頃に海外で暮らした経験もあったので、新しい場所への不安はあまりありませんでした。不安を感じていたのは家探しや仕事のこと。家は直接探しに行くのが難しかったのでWEBサイトを利用し、不動産会社の方とオンラインで相談しながら決めました。最終的には、北九州市に住んでいる友人が内見に行ってくれたので安心して決めることができました。仕事は不安になりながらもきっと見つかるだろうと思っていたのですがちょっと甘かったですね。
Q.仕事はどうやって探しましたか?
北九州市へU・Iターンして就職を希望する人と、人材の確保をめざす北九州市内企業を繋ぐ「北九州U・Iターン応援プロジェクト」のWEBページから求職者登録をして探しました。最初はなかなかマッチする会社に出会えず、アルバイトをして生活費をまかなっていました。移住して2か月が経った頃に、出会ったのが現在働いている人材系の企業です。この企業と私を繋げてくれたのも「U・Iターン応援プロジェクト」の職員さん。移住前に就職の相談をした時に、私が人材系の仕事に興味があると話していたことを覚えていてくれて、求人があった時に紹介してくれたんです。おかげでマッチングもスムーズに進み、就職が決まりました。
https://www.shigotomarugoto.info/ui-turn/
Q.現在の仕事を教えてください。
小倉北区にオフィスがある人材系の企業で、転職アドバイザーとして働いています。主な業務は企業からの人材募集と転職を希望する人のマッチングです。移住する時には自分自身が転職相談をしていたのですが、今度はアドバイスをする立場になりました。東京で働いている頃から仕事選びの難しさを感じていたので、同じような状況に置かれている方のお手伝いができることにやりがいを感じています。
本業の会社は副業OKなので仕事が休みの日には、移住して間もない頃にアルバイトでお世話になった会社のお手伝いをすることもあります。八幡東区にある造園工事の会社が農業も手がけていて、サツマイモや玉ネギなどの野菜を育てているんです。農作業を手伝ったり、移動販売で焼き芋を売ったりしています。焼き芋は壷で焼くのですが、本当においしいですよ。小さい子どもからお年寄りまでさまざまな方が買いに来てくれて、接客するのも楽しいです。
Q.生活面の変化はありましたか?
固定費を減らすことができ、家計に余裕が生まれました。年収は下がりましたが、家は広くなったのに家賃は以前の約半分になり光熱費も下がったので、総合的に満足しています。東京にいた頃は、“稼いで使う”といった感じで金銭の出入りが激しく、収入と支出のバランスもぎりぎりだったのですが、こちらに来て落ち着きました。
Q.休日はどのように過ごすことが多いですか?
東京で働いていた頃は夜勤が中心だったのですが、移住後は生活のサイクル自体が変わり、休みの日に出かけることが増えました。北九州市内で好きな場所は平尾台です。草原のなかに岩がいくつもあるカルスト地形独特の雄大な景観がいいですよね。妹を連れて行ったら、「日本じゃないみたい」とよろこんでいました。門司港ではいろいろ楽しいイベントが行われていますし、この間は黒崎で行われていたパンフェスティバルも楽しかったです。少し足をのばして出かけた山口県下関市の「唐戸市場」や宗像市の「宗像大社」もいい場所です。これからは九州各地にも出かけてみたいですね。いま一番行きたいところは大分県別府市。温泉でのんびりしたいです。
Q.仕事以外で地域の方と触れ合う機会はありますか?
仕事が落ち着いてからは心に余裕ができ、この間は若松区の脇田海岸で行われているビーチクリーンに参加しました。初めて行った場所でしたが、海がとてもきれいなのに驚きました。さまざまな方が参加していたので、普段は接することない職業の方と話ができるのも面白かったです。そういった活動を通して、少しずつですが地域に溶け込めていることを感じています。また、「U・Iターン応援プロジェクト」が主催する北九州の移住者向けの懇親会も毎月のように行われていて、以前はよく参加していました。私と同じ20代の方も意外と多いんですよ。楽しく話すことが中心ですが、どうすれば北九州の魅力をもっと伝えられるかという話題でもよく盛り上がっていました。移住者してくる方は、これまでの経験を活かして北九州市に貢献したいと考える方が多かったことも印象的です。
Q.移住後、心境の変化はありましたか?
いろいろな人と仲良くなりたいと思うようになりました。東京に住んでいた時は「イベントがあるよ」と誘われてもあまり積極的には行かなかったですね。私自身の心が新しいものに対してオープンになったのかもしれません。というか、移住が大きい変化だったので小さなことは気にしなくなったのだと思います(笑)。そして田舎出身なので東京では人との距離感の取り方を難しく感じていて。北九州市で近所の方とあいさつしたりする距離感をちょうどよく感じています。
Q.実際に住んでみて感じた北九州市の魅力を教えてください。
人のあたたかさが魅力です。仕事やプライベートを問わず、出会う人みなさんが本当に優しくしてくれることに感謝しています。そして自分がやっていることに対して一生懸命で、明るく前向きな考え方の人が多いと思います。そういう方たちに囲まれているからか、私自身も気持ちがポジティブになったと思います。
Q.これから北九州市でどのように暮らしていきたいですか?
ずっと北九州市で暮らしていきたいと思っています。仕事のキャリアを積みながら、お世話になった方たちへ貢献していくことが目標です。お子さんがいる移住者仲間から子育てをしやすい街という話も聞いているので、家族をもち、犬を飼いながらのんびり楽しい暮らしを送りたいですね。
Q.福岡県に移住を考えている人にメッセージをお願いします。
私のように20代半ばでの移住は仕事面での不安もあり、躊躇する方も多いと思います。でも身軽な今だからこそ、自分の思うように動くこともできます。仕事や生活など一人で解決するのが難しい現実的な面は、市町村の支援課の方に連絡するときっと親身になって相談にのってもらえるはず。北九州市はもちろん、福岡県にはいいところがたくさんあるので、気になる場所に遊びに行き、自分の肌に合うかどうか確かめてみて移住を検討するのがいいのではないでしょうか。
※当インタビューは、2023年11月18日に行われたものです。
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