移住者インタビュー

ゴニヤ・チャミーラさん(33歳)、幸奈さん(32歳)、琉斗くん(3歳)

地域の方々に支えられて、念願の飲食店をオープン。
                ゆったりと時が流れる街の雰囲気は、
                お互いの故郷に通じるものがあります。

移住者DATA

Iターン

ゴニヤ・チャミーラさん(33歳)、幸奈さん(32歳)、琉斗くん(3歳)

Profile
ゴニヤ・チャミーラさん(33歳)、幸奈さん(32歳)、琉斗くん(3歳)
Work

スリランカ料理店経営

スリランカ出身のチャミーラさんは2012年、子どもの頃から憧れだったという日本へ留学。福岡市に住み、日本語学校とパソコン関係の専門学校を卒業後、人材派遣会社に就職した。2021年に、かねてからの夢だったスリランカ料理店をオープンさせた。糸島市出身の幸奈さんは2016年、チャミーラさんとの結婚を機に福岡市へ。2019年に夫婦で大野城市に移住し、2020年に琉斗くんを出産した。

カフェ巡りをしている時に見つけたレトロな喫茶店。偶然生まれたご縁がきっかけで、大野城市への移住を決意。

Q.移住するまでの経緯を教えてください。

チャミーラさん:子どもの頃から日本のアニメやドラマ、映画が好きで、いつか日本に行きたいと思っていました。熊本県で暮らす親戚から福岡市南区にある日本語学校を教えてもらい、2012年、スリランカの高校卒業後に留学。2016年に人材派遣会社に就職し、5年間、正社員として事務や営業などの仕事をしました。2016年に結婚したのをきっかけに、日本で生活し続けることを決意。以前からスリランカ料理のお店をもつのが夢だったので、出店する立地を考慮しながら移住先を探し始めました。

幸奈さん:私は、福岡市内にあるホテルランドリーの会社に勤務していて、糸島市から通勤していました。2016年に結婚したタイミングで、主人が住む福岡市南区へ引っ越し。妊娠を機に、のびのびと生活できる場所で子育てをしたいと思い、移住を考えるようになりました。

Q.大野城市を選んだ理由を教えてください。

幸奈さん:2人ともカフェ巡りが好きで、休日にはよく、移住場所のリサーチを兼ねて県内をドライブしていました。ある日、大野城市でたまたまレトロな喫茶店を発見。お店に入ると、2人ともアットホームな雰囲気にすっかり魅了されました。しばらくオーナーさんとお話ししたところ、高齢のため店舗を引き継いでくれる人を探しているということでした。大野城市のゆったりとした街の雰囲気が気に入っていたこともあり、店舗を譲っていただくことに。それが現在、私たちがお店を構えている場所です。

Q.自宅はどのようにして探しましたか??

チャミーラさん:4年前に不動産の方の紹介で、住宅地にある戸建てを購入しました。スリランカにはマンションやアパートが少なく、ほとんどの人が大きな戸建て住んでいます。だから日本でも、家族をもったら戸建てに住みたいと思っていました。

幸奈さん:2人とも直感で動くタイプで、物件を内見したその日のうちに契約しました。迷うことなく決めましたが、スーパーや病院などが近くにあり、特に不自由することなく生活しています。

静かな生活環境のなかで過ごしていると、以前のゆったりとした感覚が戻ってきました。

Q.大野城市に移住してよかったと感じることを教えてください。

チャミーラさん:スリランカと同じように、街がとても静かです。博多や天神のような人の多い街から大野城市に戻ると、落ち着いた気持ちになれるんですよ。そしてなにより、人の優しさが魅力です。移住してきた時は、近所や商工会など多くの方が歓迎してくれました。特に商工会の方は、経費をどのように管理するかなど親身になってお店のサポートをしてくれ、息子が体調を崩した時は心配して電話をくれるほど。市役所の職員の方も穏やかで、窓口の説明で分からない言葉が出てきたら、ゆっくり丁寧に教えてくれます。家を買う時に親切に対応してくれた不動産の方は、今ではうちの常連さんです。

幸奈さん:大野城市は、市役所周辺は賑やかですが、私たちが暮らす南部はとても静かです。生活しているうちに、糸島に住んでいた頃のゆったりとした感覚が戻ってきました。もちろん人も親切で、保育園を選ぶ時は先輩のママ友から、制服があるか、用具をそろえる必要があるかなど、確認するべきことを教えてもらいうれしかったですね。

Q.子育てはしやすいですか?

幸奈さん:病児保育が多く、子どもが病気になった時に預けることができるので、自営業や共働きの世帯でも安心して暮らせると思います。また、大野城市すこやか交流プラザ※では、子育てについてスタッフの方に相談したり、子どもを遊ばせながら同世代のママと交流したりできます。日本は少子化が進んでいると言われていますが、私の印象では、大野城市は子どもが多いように感じます。実際に、イベントにキッチンカーで出店していると、子ども連れのお客さんをたくさん見かけるんですよ。

※大野城市すこやか交流プラザ・・・健康づくり、児童の健全育成および子育て支援を推進する複合施設。同施設内にある「れいわ子ども情報センター」には、就学前の乳幼児を遊ばせながら保護者同士が交流できる「親子サロンフロア」、各種親子教室事業を行う「子育て応援フロア」などがある。

チャミーラさん:大きな公園がたくさんあるので、子どもをのびのびと遊ばせることができます。自宅から車で5分ほどの場所にある「大野城いこいの森」では、息子がローラーすべり台などの遊具で、いつも楽しそうに遊んでいます。また、自宅から近い春日市の「白水大池公園」にもよく行きます。ここには大きな池があって、息子はそこで泳ぐカモが大好きなんですよ。

親子3人でよく訪れるという「大野城いこいの森」。「年上のお子さんたちも大らかで、息子に場所を譲ってくれることがよくあります」と幸奈さん。
親子3人でよく訪れるという「大野城いこいの森」。「年上のお子さんたちも大らかで、息子に場所を譲ってくれることがよくあります」と幸奈さん。
近所の「白水大池公園」で休日を満喫するゴニヤさんファミリー。
近所の「白水大池公園」で休日を満喫するゴニヤさんファミリー。

Q.生活のなかで、どのような時に楽しいと感じますか?

チャミーラさん:勤務形態が固定されていた会社員時代と違って、ある程度、時間を自由に使えるようになりました。休みは週に1日だけですが、仕込みの時間をうまく調整して、家族みんなでカフェや公園に出かけています。やはり家族と過ごすひと時は特別で、子どもが楽しければ私たちも楽しいです。

幸奈さん:たまに主人と2人きりでデートをすることもあります。友達のお店にご飯に行ったり、公園を散歩したりしていると、若い頃に戻った気持ちになれるんですよ。

イベントに出店する前日は、徹夜で仕込みをすることも。お客さんからの「美味しかった」のひと言が力になります。

Q.現在のお仕事について教えてください。

チャミーラさん:夫婦で「Ryu cafe & curry」というスリランカカレーのお店を営んでいます。最近は、「おおの山城 大文字まつり」や「まどかフェスティバル」など、地域のイベントにも出店しています。福岡にあるスリランカ料理店の多くは、確かに美味しいのですが、日本人の味覚に合わせてアレンジされています。
別の仕事をしていましたが、いつか自分のお店をもって、日本の皆さんに本場の味を知ってもらいたいと思っていました。お店では、スリランカならではの食材をたくさん使用していて、日本で手に入らないものは現地から直接取り寄せています。

キッチンに入り準備をするチャミーラさん。日本人の味覚に合わせてアレンジ。
現地から仕入れた香辛料で作るカレーは、スパイシーで本格的な味わい。
現地から仕入れた香辛料で作るカレーは、スパイシーで本格的な味わい。

Q.自分たちのお店をもつことに不安はありませんでしたか?

チャミーラさん:最初に商工会をはじめ、たくさんの方に温かく迎えてもらったのでとても心強かったです。料理をすることも、子どもの頃から両親の飲食店を手伝ってきたため問題ありませんでした。ただ、お客さんが来てくれるかという不安があり、オープンしたばかりの頃は、自分たちでチラシを配ってまわりました。1年ほど経つと、地元の方の口コミやSNSで知っていただくようになり、今ではありがたいことに常連さんも増えました。

幸奈さん:前職はホテルのバックヤード業務だったので、お客さんと接する機会がなく、オープン前はどのようにサービスをしていいのか分からなくて…。そこで、接客の本を読んだり飲食店に行ったりして、言葉遣いや所作を研究しました。オープンして1年ほど経った頃に、親しくなったお客さんに私の接客について意見を求めました。すると「いつも丁寧に接してくれているから、このままで問題ないですよ」と言っていただき、自信をもつことができました。 

2021年にオープン。今ではすっかり地域に愛されるお店に。
2021年にオープン。今ではすっかり地域に愛されるお店に。
キッチンカーでもカレーを販売。「イベントを通じて同じ飲食店の友達ができ、一緒に食事に出かけることもあります」とチャミーラさん。
キッチンカーでもカレーを販売。「イベントを通じて同じ飲食店の友達ができ、一緒に食事に出かけることもあります」とチャミーラさん。

市外に住む友人も「いいマンションがあったら教えて」と、大野城市のことが気になっているようです。

Q.これからこの街でどのように暮らしていきたいですか。

幸奈さん:これまで周りの方々に助けていただいたので、今度は私たちが恩返しをする番だと思っています。現在、不定期ですが、お店で使わなくなったものをボックスに入れて、お客さんに無料で提供しています。服や玩具、お店で使っていたグラスなどいろいろあり、喜んで持って帰ってくださるんですよ。今後は、子育て世代のコミュニティを広げるきっかけとなるイベントを行うことができたらいいですね。そして地域の皆さんともっと仲よくなって、お客さんとは家族のように接していきたいです。

チャミーラさん:週に一度くらいのペースで、子ども食堂ができたらいいなと考えています。また、食をはじめとするスリランカの文化や魅力を広めていきたいです。そしていつか畑を借りて、自分たちでビーツやマンゴーなど、スリランカ料理に使う野菜や果物を育てられたらいいですね。

Q.福岡に移住を考えている人にメッセージをお願いします。

チャミーラさん:大野城市は利便性がよく、博多区や南区まで車を使えば30分ほどで行くことができます。また、チェーン店ではなく個人でされている飲食店が多いので、この街でしか味わえない料理もたくさんあります。個人的に大野城市は、福岡県で一番住みやすい街だと思っています。私の友達も引っ越したいと思い始めたようで、「いいマンションがあったら教えて」と頼まれているところです。

幸奈さん:福岡県は、都会が好きな方も、私たちみたいに静かな場所が好きな方も、好みや目的に合わせて場所を選べます。気になる場所があったら、ぜひ何度か足を運んでみてください。どんな街かわかるし、役場を訪ねると移住に関する情報を詳しく教えてもらえるはずです。心配なこともあるかもしれませんが、まずは気軽に観光してみませんか?

※当インタビューは、2023年10月19日に行われたものです。

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