Uターン
- Profile
- 遠藤 秀樹さん(62歳)
- Work
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電気管理技術者(フリーランス)
Q.宮若市にUターンするまでの経緯を教えてください。
関東の企業に就職した時から、長男ということで、定年を迎えたら故郷に帰りたいと考えていました。会社には65歳まで残ることができましたが、親の生活支援が必要になってきたことと、新たな人生を楽しむなら少しでも若いほうがよいということで、60歳で退職しUターンしました。それまで転勤を13回経験していたので、生活の変化には慣れていました。妻も同じ町の出身なので、宮若市へ戻ることに支障はありませんでした。
Q.移住にあたり準備をしたことはありますか?
家を建てるための土地を、実家の近くで探しました。ただ、インターネットで調べたり、帰省した際に車で周辺を周ったりしましたが、なかなか思うような土地が見つかりませんでした。そんななか、宮若市が大規模な住宅団地を開発していることを知りました。実際に行ってみると、高台にあり、周辺の山々がちょうどよい距離で見えて開放感抜群でした。何度か足を運ぶうちにその場所が気に入り、妻と相談をして、希望する区画の抽選に当たれば住もうということに。結果的に当選して、快適に生活できています。また、住宅情報を調べているなかで、偶然、定住奨励金のことを知りました。宮若市に定住する人を対象に、本当に励みになる額が支給されるので、とてもありがたかったです。
https://www.city.miyawaka.lg.jp/teiju/list00345.html
Q.移住にあたり不安だったことはありますか?
新しい団地に住むということで、知り合いがまったくいない状態でした。ただ、逆にいうと古いしがらみがないため、新しい関係を一から作ることができると前向きに捉えました。引っ越してからは、家庭菜園で育てた野菜をお裾分けしたり、出産のお祝いを差し上げたりと、隣近所の方との付き合いを楽しんでいます。
Q.移住に対する親御さんの反応はいかがでしたか?
もっと実家の近くに住むことを望んでいたようでしたが、それでも車で10分とかからない場所なので喜んでくれました。以前はたまに電話で話す程度でしたが、Uターンしてからは週に3〜4回は顔を出して、掃除をしたり、買い物や病院に連れて行ったりと生活支援をしています。外食に連れ出して、家族水入らずで食事することもあります。妻の実家までも車で15分弱なので、お互いの親に会う機会が格段に増えてよかったです。
Q.住み始めて感じた宮若市の印象を教えてください。
自分が住んでいた頃は、たくさんの炭鉱住宅が建っていて、石炭の町という雰囲気がありました。しかし今では、灰色だったボタ山(※)が木に覆われて緑色になるなど、町の風景はすっかり変わりました。帰省するたびに変化を見てきたので、驚くことはありませんでしたが、やはり少し寂しい気もします。変わったといえば、海外からの研修生をよく見かけるようになりましたね。昔はこの町で、外国の方を見かけるなんてほとんどありませんでしたから。
九州地方の炭鉱で使われた言葉で、不必要な石炭や石などを捨て積み上げた山。
Q.住み始めてから気づいた町の良さを教えてください。
車で10分も走れば、生活に必要なものをそろえられることです。福岡市や北九州市の中心部にも、1時間ほどでアクセスできるので不自由を感じません。また、豊かな自然環境が整っている点も魅力です。団地の近くにある「光陵グリーンパーク」という運動公園が気に入っていて、夕方によくウォーキングをしています。福知山など雄大な山々が広がり、とてもリフレッシュできるんですよ。また「犬鳴川河川公園」も、秋になると彼岸花がきれいでウォーキングにおすすめです。
Q.移住前と比べて、生活面で変化したことを教えてください。
以前は管理職ということもあり、仕事に追われていました。しかし自営業になったことで、自分の裁量で働けるようになりました。自由な時間をどのように有効活用するかが、日々の課題であり楽しみでもあります。現在は、午前中に仕事をして、午後は親の生活支援や自由時間にあてています。ストレッチやウォーキングをする時間ができたので、健康的な生活になりました。たまに妻と一緒に、大型ショッピングセンターやコンサートに出かけることもあります。あとは、親が所有する畑で家庭菜園をするようになりました。作物は、ナスやピーマン、オクラ、サトイモ、サツマイモなどさまざま。これまで手伝う程度だったので失敗ばかりしていますが、親からアドバイスをもらいながら楽しんでいます。収穫の時期になると、親戚の子どもを呼んで芋掘りをすることもあるんですよ。
Q.現在のお仕事について教えてください。
電気管理技術者として、浄水場や保育所、工場、太陽光発電所などにある高圧受電設備の保全業務を行っています。前職で電気設備の設置や保全、発電所の運転管理といった業務に携わってきたので、その経験を活かすことができています。業務では、お客さんに保全の重要性をしっかりとお伝えして、不具合があれば、どのような工事が必要かを説明しています。電気は私たちの生活に欠かすことができないため、安定的な電力需要を保つお手伝いをする仕事は、とてもやりがいがあります。
Q.就職活動はどのように行いましたか?
今までの蓄えで最低限の生活はできたとしても、趣味や娯楽を楽しむゆとりのある生活を送るには働く必要がありました。また、生きがいを見つけるうえでも、仕事を続けたいと思っていました。ただ、ハローワークに行き、前職の経験を活かせる会社を探しましたが、あいにく見つからなくて…。そこで、もう一つの選択肢として考えていた、電気管理技術者として働くことを決意しました。会社のOBに、同じように自営業の電気管理技術者がいらっしゃるので、その方からいろいろとお話を伺いました。また、現在所属している協会のホームページを見て、情報を集めていきました。
Q.お仕事で苦労していることはありますか?
ずっと会社勤めだったので、経理関係の知識がまったくありませんでした。しかし自営業ということで、税務に関する帳簿付けや確定申告を、自分で行う必要があります。本やインターネットで猛勉強し、現在は会計ソフトに助けられながら何とかこなしています(笑)。
Q.現在、地域で活動していることはありますか?
地区の自治会長を務めています。地域での生活をよりよくするために、住民の方々の意見や要望を集約して、市に伝える活動などを行っています。新しい住宅地では、近隣住民の方と面識を持てても、少し離れた方とはなかなか交流できません。もう少しコロナが落ち着いてきたら、地域コミュニケーションの拡大に力を入れたいと思っています。
Q.これからこの街で、どのように暮らしていきたいですか?
コロナの影響で、趣味である旅行をあまり楽しめていないので、娯楽の時間を増やしていきたいです。また、地元に残っている旧友と一緒に、お酒を飲んだり遊びに出かけたりもしたいですね。なかには久しく会っていない友人もいるので、変貌ぶりを見るのが楽しみです(笑)。娯楽に使う資金を稼ぐために、もっとお客さんを確保して、仕事を充実させる必要があります。
Q.福岡県の魅力を教えてください。
東京や大阪といった大都市に負けない活気があり、自然にも恵まれているので、仕事や遊びに不自由することがないと思います。また、同じ福岡県でも、地域によって違った訛りがあるのも面白いですね。馴染みのない方にとっては、乱暴な言葉に聞こえるかもしれませんが、実は気のおけない人たち同士の和やかな会話なんですよ。そういった、楽しいコミュニケーションを楽しめるのも魅力ではないでしょうか。
Q.福岡県に移住を考えている人にメッセージをお願いします。
福岡市や北九州市といった都心部に興味がいくかもしれませんが、福岡県にはほかにも元気な市町村がたくさんあります。交通機関も充実しているので、田舎に住んで都心部に通勤することも可能です。また、商業、工業、農業、水産業、物流、観光、ハイテク産業など、いろいろな業種がそろっています。チャンスがたくさん転がっているはずなので、幅広いネットワークを築いてぜひ掴んでほしいですね。
※当インタビューは、2022年9月17日に行われたものです。
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