移住者インタビュー

宇美町 寺﨑 健一さん

馴染みのある企業で働くことと、多くの人に親しまれている製品を手がけること。2つの意義を感じて、今の職場を選びました。

移住者DATA

Jターン

寺﨑 健一さん

Profile
寺﨑 健一さん(42歳)
Work

家具工場(株式会社アダル 総合工場:福岡県宇美町)勤務

久留米市出身。熊本の大学に入学し、卒業後は同県にある半導体を扱う会社に就職。2013年、株式会社アダルへの転職を機に久留米市の実家へ戻る。その後、小郡市に引っ越し、現在は奥さんと5歳の息子さんと3人で暮らしている。

馴染みのある企業で働くことと、多くの人に親しまれている製品を手がけること。2つの意義を感じて、今の職場を選びました。

Q.福岡県内の企業に就職したいと思った理由を教えてください。

大学を卒業後、そのまま熊本に残って、半導体を扱う会社に就職しました。しかし、住み慣れた街で暮らしたいという気持ちがずっとあり、いつか福岡に戻りたいと思っていました。そして33歳の時、転職するのであれば年齢的に早いほうがよいと考え、福岡の企業を探し始めました。半年ほど転職活動を行い、最初に内定をいただいた企業が、現在の職場である株式会社アダルの総合工場でした。

Q.転職活動はどのように行いましたか?

いくつかの求人サイトに登録して、面接がある時にだけ福岡に行きました。エリアは、実家のある久留米市を中心にして、福岡市から大牟田市までの間に設定しました。働きながら転職活動を行ったため、失業時期を挟むことなく、今の職場に移ることができてよかったです。また、結婚前に転職することができたので、妻に心配をかけずに済みました。

Q.現在の会社への応募動機を教えてください。

ものづくりが好きなので、製造業を探していたところ今の職場を見つけました。アダルのことは、それまで飲食店やホテルで、社名が入った椅子を見かけたことがあったので知っていました。ただ、福岡都市高速を通る度に目に入っていた、屋根に赤い球体のある建物がアダル(本社、福岡ショールーム)だとは知りませんでした(笑)。生活のなかで馴染みを感じられる企業で働くこと、そして、多くの人に親しまれている製品を手がけるということに意義を感じ、入社を希望しました。

Q.小郡市から工場のある宇美町まで通勤しているんですね。

最初は久留米市の実家に住んでいましたが、結婚を機に小郡市に引っ越しました。工場のある宇美町ではなく小郡市を選んだのは、自宅と職場が近すぎると、生活にメリハリがなくなってしまうからです。通勤には車で50〜60分ほどかかりますが、オンとオフをしっかり切り替えることができ、実家にも行きやすい場所なのでストレスを感じることはありません。

自分が携わった製品と、プライベートでご対面。「よし、素晴らしい仕上がりだ」と嬉しくなります。

Q.お勤め先はどんな会社ですか?

アダルは、業務用家具の製造から販売までを一貫して行う会社です。製造された家具は、ホテルやレストラン、病院などさまざまな場所で使用されています。私の職場である総合工場は2020年4月に新築・移転が完成し、生産、物流、倉庫の機能が一箇所に集約されています。工場には、ベテランから10代の若手まで幅広い年代のスタッフが働いており、「よりよいものを作ろう」とみんな真剣です。職場の魅力は、なんと言っても雰囲気がよいということ。休憩中は、上司と後輩の関係を保ちつつもフラットに会話できます。特に副工場長とは、地元が同じで年齢も近いので、雑談もよくしています。また、敷地内にはフットサルとバスケットのコートがあり、休憩時間になると楽しそうにリフレッシュするスタッフを見かけます。

寺﨑さんが所属する部署では、椅子やソファを製造。ほかにテーブル・什器を製造する部署もある。
福利厚生と地域交流を目的とした、フットサルとバスケットのコートを併設。

Q.現在のお仕事内容を教えてください。

私が所属する製造3課1班は、生地を裁断・縫製し、椅子やソファに貼れる状態にする作業を行う部署です。私は班長として、主に作業工程の管理や貼り地の発注を担当しています。班長になったことで、今まで以上に責任感が強くなりました。特に生地の発注は量が膨大なので、自分でダブルチェックをして、発注ミスがないように細心の注意を払っています。また、生地の貼り付けを担う2班の班長との連携も大切にしています。繁忙期になると、生地を渡す順番についてなど、なにかと相談することが多くなります。

生地の発注など、パソコンを使ったデスク作業が中心。納期の状況によっては、実作業を行うこともある。
「裁断や縫製の経験はありませんでしたが、作業を通して少しずつ覚えていくことができました」と寺﨑さん。

Q.お仕事でどんな時にやりがいを感じますか?

作業では生地だけを扱うため、製品の完成形を目にすることはほとんどありません。後日、営業担当者から納品した製品の写真が送られてくることがあり、それを見ると達成感を覚えます。また、プライベートで出かけたお店で、自分が携わった製品を見つけることもあります。その時は「よし、素晴らしい仕上がりだ」と嬉しくなり、息子に「これ、お父さんが作ったんだよ」と自慢することも(笑)。このように、自分たちが手がけたものを形として残せるというのは、とても嬉しいですね。

ご自身が携わった椅子を眺める寺﨑さん。職業柄、完成後も仕上がり具合が気になるという。

近況を報告したり相談したりと、なんでも話せる存在が身近にいるというのは、地元で暮らすうえでの大きなメリットです。

Q.休日の過ごし方を教えてください。

息子を公園に連れて行ったり、買い物に出かけたりすることが多いですね。遠出をすることもあり、去年は息子の誕生日に大分県の別府市を旅行しました。さらに、職場は有給休暇を取りやすい雰囲気なので、コロナになる前までは毎年、家族と沖縄旅行を楽しんでいました。
また昨年の秋には、工場の敷地内にある畑で、家族みんなでニンニクの植え付けを行いました。これは会社が取り組むSDGsの一環で、木材を加工する際に出た粉を、肥料に混ぜて再利用するというものです。ほかの社員の家族も参加していたので、子ども同士で遊ばせることができてよかったです。なにより息子に、「ニンニクを食べるにはこんな作業が必要なんだよ」と、食のありがたみを教える良い機会になりました。

植え付け作業を行ったニンニク畑にて。寺﨑さんは、「息子に頼まれて畑の様子を撮影して見せたら、『おお!芽が出てるね』と喜ばれました」と頰を緩める。

Q.日々の生活のなかで、楽しいと感じるのはどんな時ですか?

やはり息子と遊んでいる時ですね。平仮名や数字をうまく書けるようになったり、新しい言葉を覚えたりと、日々、成長を感じています。ただ、最近は一緒に遊んでいると、息子のパンチが痛くてしようがなくて(笑)。だいぶ大きくなってきたので、今後は地域の夏祭りなど、イベントごとにも積極的に参加させたいですね。

Q.県内に戻ってきてよかったと思うことはありますか?

各県に美味しいものはたくさんありますが、やはり住み慣れた故郷の味は格別ですし、方言を聞くとホッと癒されます。また、実家に行く機会が格段に増えたこともよかったです。熊本に住んでいた頃は、お盆や正月といった連休期間しか帰省できませんでしたが、今では毎週のように顔を出すことも珍しくありません。息子が大きくなるとそうはいかなくなるかもしれないので、今のうちにできるだけ母親に会わせて、親孝行をしたいと思っています。

Q.これから福岡で進学や就職を考えている方に、メッセージをお願いします。

福岡は、自然と都会の両方が身近にあるので、とても住みやすいと実感しています。そして宇美町には、宇美八幡宮などの歴史スポットがたくさんあり、のどかな雰囲気が漂っています。そんな福岡に残って就職、もしくはUターンするメリットは、家族や友人にいつでも会えるということではないでしょうか。ストレス社会と言われるこの時代、社会人になると少なからず悩み事が出てくるでしょう。そのような時に、相談をしたり近況を報告したりと、なんでも話せる存在が身近にいるというのは、とても心強いことだと思います。

※当インタビューは、2022年2月8日に行われたものです。

こちらのインタビュー記事もおすすめです

  • 筑紫野市 ターン

    松本 恭平さん,松本 有沙さんインタビューページへ

    コロナ禍を機に、東京から九州へ移住。福岡県での新規就農をめざし、農業を学んでいます。

    福岡県農業大学校 学生,会社員 松本 恭平さん,松本 有沙さん

  • 広川町 ターン

    阿部さんご夫婦インタビューページへ

    移住して、夫婦間の会話が格段に増えました。引っ込み思案だった娘も、今ではしっかり者のお姉さんに。

    介護士 阿部さんご夫婦

ページトップ
へ戻る

ふくおかよかとこ移住相談センター

福岡窓口

〒810-0001 福岡市中央区天神1-4-2
エルガーラオフィス12階(福岡県若者就職支援センター内)
TEL・FAX:092-712-2325
営業時間:10:00~18:00(平日) 10:00~17:00(土日祝日)
※年末年始は休業

東京窓口

〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1
東京交通会館8階(ふるさと回帰支援センター内)
TEL・FAX:03-6273-4048
営業時間:10:00~18:00
※月曜、祝日、盆、年末年始は休業

Copyright ©Fukuoka Prefecture All rights reserved.