移住者インタビュー

LIFE STYLE 那珂川市

豊かな自然に農作物、そして作家のみなさん。那珂川市の魅力を世界に発信していきたい!

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Iターン

高岸 春幸さん

Profile
高岸 春幸さん(40)
Data

山口県・下関市出身。19〜26歳は福岡市内で過ごし、映像関係の学校を卒業後、建築パースの制作会社に就職。その後、一旦、地元に戻ってアパレル系企業や工場などに勤務する。2017年11月より、地域おこし協力隊として那珂川市での生活を開始。アートイベント「南畑美術散歩」の運営など、地域活性化に力を注いでいる。

Work

地域おこし協力隊

これから何か面白そうなことが始まろうとしている。そんな高揚感と期待が込み上げてきました。

Q.移住のきっかけを教えてください。

那珂川市には友人が住んでいるため、20代前半の頃によく遊びに行っていました。その後、地元の山口県にある工場に就職したのですが、とてもハードな業務に体力的にも精神的にも限界がきてしまって…。休養を兼ねてその友人に会いに行くと、豊かな自然に心身ともに癒されました。正直、それまでこの街に対してこれといった印象はもっていませんでしたが、久しぶりに行ってみると街全体に活気が感じられました。

友人から、那珂川市が地域おこし協力隊のスタッフを募集しているということを教えてもらい、とりあえず街の未来について考えるトークイベントを見学してみることに。すると、最寄りの博多南駅から博多駅まで新幹線でわずか8分という利便性、都会と田舎が共存した"ちょうどよさ"など意外な発見があり、さらに森が多いということで、薪ストーブなどの再生可能エネルギーに興味がある私にとって、この街が宝の山のように思えました(笑)。そして、街づくりに携わる方々のお話を聞くうちに、"これから何か面白そうなことが始まろうとしている"という高揚感と期待が込み上げてきました。次第に"自分も街づくりに加わりたい"と思うようになり、地域おこし協力隊に応募することにしました。

Q.住宅はどのようにして探されましたか?

市役所に行って、空き家を探してもらいました。さらに、南畑地区にある那珂川市移住交流促進センター「SUMITSUKE(すみつけ)那珂川」にも足を運びました。ここでは、子育て世代や、地域の発展に力を貸してくださる方々を対象に、空き家や土地の紹介を行っています。私もそこから紹介して頂いた空き家物件に住むことになりました。「SUMITSUKE那珂川」には今でも打ち合わせで顔を出しています。引っ越してきたばかりの方と知り合いになれたり、作業帰りの農家の方に差し入れをいただいたりと、ここにいるといろんな人と会うことができます。那珂川市への移住を考えていたら、ぜひ足を運んでもらいたい施設です。

SUMITSUKE那珂川ページ(外部リンク)

Q.移住してからの街の印象を教えてください。

人の温かさを感じられる街です。南畑地区には、同じ苗字が多いため下の名前で呼ぶことがあるのですが、「春幸」と自分の名前を呼んでもらえると、一気に親近感がわいてきます。フレンドリーな方たちばかりですが、ほどよい距離感を保ってくださるため、気苦労をすることはありません。また、地域全体で歴史を継承していこうという意識が高く、伝統行事にはたくさんの住民の方が参加しています。子どもたちは元気がよく、挨拶もしっかりします。もしも悪いことをしたら、周りの大人が我が子のように叱るなど、地域ぐるみの子育ても行われています。日本からなくなりつつある、古きよき昭和の情景が色濃く残っている街です。

2019年にオープンした新名所「五ケ山クロス」。豊かな自然と澄んだ空気に包まれており、秋になると紅葉を楽しめる。
「五ケ山クロス」にあるキャンプ場。高岸さんは、オープンイベントに参加して野菜の販売を行なった。
「手づくりパン工房 MADOKA」で、窯焼きピザを味わう高岸さん。「この街を訪れた方に紹介すると喜ばれます」とにっこり。
南畑地域の正月行事「ほんげんぎょう」の櫓組(やぐらぐみ)に参加。

率先して地域おこしに取り組む方々に刺激され、[自分も負けていられない]と奮い立たされました。

Q.移住してよかったなと思うことを教えてください。

南畑地区には、地域活性化のために結成された「南畑みらい協議会」という組織があり、少子高齢化や過疎化といった、中山間地域が抱える課題に取り組んでいます。"まず自分が動く"というスタンスの方が多く、70代とご高齢でも畑を耕したり竹林を再生させたりと、率先して地域おこしをされています。正直、移住するまでは"自分はこれ以上、人として成長しないのではないか"と後ろ向きになっていました。しかしみなさんの頑張る姿を見て、"自分も負けていられない"と奮い立たされ、"夢や希望に年齢は関係ない"と気づけたことです。

Q.移住してご自身に変化はありましたか?

打ち合わせなどで相手と意見が異なった時に、柔軟な考え方をもてるようになりました。見た目の印象や話し方が柔らかいとよく言われていましたが、実はけっこう短気な性格で(笑)。随分と改善できたのは、「南畑みらい協議会」で一緒に活動するみなさんのおかげです。相手のことを尊重してしっかりと耳を傾ける姿を見るうちに、自分も「なるほど、そういう考え方もあるな」と相手の意見を受け止められるようになりました。

Q.現在のお仕事について教えてください。

「南畑みらい協議会」のメンバーとして、地域おこしに関する業務に携わっています。現在は、アートイベント「南畑美術散歩」の準備を進めているところです(第6回目は2019年11月17日に開催済み)。南畑地区には陶芸や木工、絵画など多くの作家さんが暮らしていて、里山を巡りながら、各アトリエを見学することができます。イベントを告知するために、作家さんに活動内容や移住したきっかけなどを伺ってSNSで発信しています。また、デザイナーさんに協力してもらいながらパンフレットを作成しています。

一方で、農業を盛んにするために、海外に目を向けた活動も行なっています。少子高齢化が進むなかで日本の食料自給率が低下してしまい、それに伴って国内の農業もだんだんと活気を失いつつあります。那珂川市のような中山間地において、農業でどのような夢を見ることができるだろうか?そう考えた時に、農産物を輸出することで活路を見出せるのではないかと思い、2019年3月、地元の食の魅力をPRするために、日本食が人気なドバイへと飛びました。幸いなことに、現地の冬季限定世界博(グローバル・ビレッジ)で、日本パビリオンをプロデュースする会社の社長と知り合うことができました。その社長が来日された時に、那珂川市の市長との面会が実現。自然豊かなこの街を気に入ってくださったようで、まずはスタート地点に立つことができました。これを機に、いずれは那珂川市を、九州の農産物・加工品・芸術品を中東や東南アジアに輸出するための中継地にしたいと考えています。

静かな山里に軒を構える「成竹窯」で、オーナーの廣津さんと「南畑美術散歩」について打ち合わせをする高岸さん。
南畑美術散歩当日のスタンプラリーでは、くじ引きの景品として作家さんの作品、店舗からの商品、地域の野菜などを提供。

那珂川市を生活の拠点にして、必要な時だけ都心部へ。個人事業主や会社経営者の方が働きやすい環境です。

Q. 那珂川市で仕事を探している方に向けて、アドバイスをお願いします。

「南畑みらい協議会」では、交通や農業、イベントなど、テーマごとに話し合いの場を設けています。地域おこしについて一生懸命考えている方がたくさんいるので、活動の様子を見学されるといろんな知恵をもらえるし、人脈も増やせるはずですよ。

また、先ほど述べたように、那珂川市は天神や博多などの都市圏にアクセスしやすいというメリットがあります。通常は、田舎に移住すると生活環境ががらりと変わってしまいます。しかし那珂川市の場合は、住居とオフィスをこちらに構えて、取引先との打ち合わせなど必要な時にだけ都市圏に出かけるといった働き方ができます。実際に、個人事業主や会社経営者の方がたくさん生活されているんですよ。

Q. 移住に不安を抱えている方にメッセージをお願いします。

地域に溶け込めるだろうかといった不安もあるかと思いますので、まずは旅をする感覚で、いろんな場所を巡ってみてはいかがでしょうか。那珂川市の場合、住宅を購入して一定の条件を満たすと固定資産税相当額を補助、新婚世帯に対して住居費や引っ越し費用の一部を補助するといった制度があります(条件等あり)。移住するうえで、きっと心強いサポートになるはずですよ。

※補助制度の詳細は、那珂川市のホームページを参照(外部リンク)

Q. これからこの街でどう暮らしていきたいですか?

農業や自然、人といった街の魅力を、世界に発信していきたいです。SNSや動画配信サイトの普及によりそれが可能な時代になったので、少しでも多くの方に那珂川市に興味をもっていただけるようにしたいですね。また最近は、地域のよさを発掘する事業を立ち上げて、新たな雇用を生みだそうとしている方が増えています。そんな方々が人材を探している時に、人と人とを繋ぐ橋渡し役になれたらと思っています。ほかにも、南畑地区には世界レベルのポテンシャルを持つ作家さんがたくさんいらっしゃるので、みなさんの活動の場を広げていきたいです。やりたいことはたくさんありますが、どれもこれからが勝負。実現に向けて、この街に骨を埋める覚悟で取り組みたいと思います。

※当インタビューは、2019年10月11日に行われたものです。

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