移住者インタビュー

LIFE STYLE 北九州市

家族にも自分にも、そして仕事にもその時のベストな場所で暮らしたい。今は北九州で暮らすタイミングだと思いました。

移住者DATA

Uターン

Profile
坂田夏水さん(37歳)
Data
北九州市出身。中学生の時に東京へ転居。大学卒業後、2008年に空間デザイン会社「夏水組」を立ち上げ、住宅のリノベーションやDIYグッズの開発などを行う。第2子の誕生を機に2017年に家族とともに拠点を北九州市に移し、社長業と育児を両立している。
Work
空間デザイン会社社長

幼い頃の自分がそうだったように、子どもには自然豊かな場所で育ってほしい。

インタビューを受ける坂田さん

Q. 移住のきっかけを教えてください。

2人目の子どもがお腹にいることがわかったことが大きなきっかけです。1人目の時はなんとか東京で仕事と育児を両立していたのですが、2人目となるとそうはいかないと思い、上の子のためにも、自分や夫のためにも移住するのがいいと思いました。子育てをしている身としては、関東での暮らしは心配が多くて。上の子はまだ小さいので遊びたい盛り。ちょっと海に行こうと思ったら3時間渋滞にはまらないといけなくて、しかも行った先の海はそんなにきれいじゃない…。ここからだと、ちょっと行けば山や海、遊ぶところがいっぱいあるでしょう。そういうところで子育てがしたいと思ったんです。
そして移住のもう一つの目的が、私の会社の事業のうち、東京で回っていない案件をこちらで行うということでした。代官山でインテリアショップも経営しているのですが、物流が回っていなくて。特に、オンラインショップの梱包や発送。でも、それは東京でなくてもできることなので、移住先で行えればと思っていました。

Q.移住先として、福岡以外の場所も考えましたか?

最初は東京近郊も候補にあがりました。私たちは夫婦共働き、2人とも会社の代表です。親の手を借りないと子育ては難しい。子どもが熱を出したからといってすぐに休めるわけではないので、そんな時にはピンチヒッターが必要です。私の両親は東京に住んでいるので、最初は新幹線に乗って30分くらいで東京に行ける熱海や伊豆も考えたのですが、実際問題として新幹線で子どもを預けに行くというのが現実的ではないと思い…。夫も北九州市出身で、両親が八幡東区に住んでいますし、私も夫も北九州が好きなのでこちらへの移住を考えるようになりました。

Q.北九州に移住する決め手となったのはどんなことですか?

中学1年生頃まで住んでいたんですけど、北九州で過ごした日々がすごく楽しかった記憶があって。親の教育方針かもしれないですが、自然の中でよく遊んでいました。海で魚釣りをしたり、近くの山に登ったり。八幡西区に住んでいて、自宅から自転車を30分くらい走らせれば岩屋海岸に着くんですよね。学校が終わったらよく行ってたなぁ。そのくらい自然が近い生活が気に入っていました。なので、そういう暮らしを子どもにもさせたいと思ったのが一番大きいですね。

一番の不安は、東京に残す会社のこと。夫の協力もあって、移住を決意しました。

空間デザイン会社「夏水組」の社長を務める坂田さん。リノベーションやインテリアに関する著書も多数あります。

Q.移住するにあたって、不安はありませんでしたか?

正直なところ、私は不安でした。子どもの環境がよくなるのはわかっていたのでその面は心配していなかったのですが、仕事面が色々と不安で。「保育園に預けられなかったら?」「東京に出張することができなかったら?」「遠く離れて会社をコントロールできる?」などさまざまな思いがありました。やはり社長としての責任がありますし。普通の人ならなかなか飛び込めないかもしれませんね。でも私、昔から思い切りがいいんです(笑)。夫もいろいろ協力してくれるので、心が決まったんだと思います。

苦労した、店舗と家の物件探し。若松でまちづくりに取り組む人々との出会いが転機に。

Q.移住を決めて、まず行ったことを教えてください。

移住を考え始めたのは2016年の初めだったのですが、出産するまではなかなか動けなかったですね。実際に動き出したのは11月頃。まずは東京の有楽町にある「北九州市東京事務所」に行きました。オープンしたばかりだったのですが、Facebookを見つけて、「移住を考えているんですが、行ってみていいですか?」とメッセージを送ったらすぐに返事が来たので訪ねてみました。相談したのは、保育園の待機児童の数とか、住まい探しのことなど。実際に利用はしませんでしたが補助金についても詳しく教えてくださって、行ってみてよかったですね。そして、店舗や家、保育園を探すため、子どもを連れて実際に北九州に何度か足を運びました。

Q.移住に関して、苦労したことを教えてください。

店舗も家も、なかなか物件が見つからず、大変でした。あちこち探したのですが、条件に合う場所がなくて。そんな時に夫が若松でまちづくりに力を入れている方たちと意気投合。その方たちの紹介で今の店舗を借りる話が決まりました。若松は母の実家があり、惠比須神社のお祭りや花火大会とか、小さい頃からよく来ていた場所。どこか懐かしい雰囲気を感じられる街で、古くていい建物がたくさんある。私の会社が目指す“古いものを活かす”という考えとも合う場所だと思いました。家探しはもっと大変で、移住してしばらくは仮住まいでした。若松中の不動産情報を見たり、車で回って空き家があったら問い合わせたり。今までの家探しで一番大変でしたが、結果としては一番いい家を見つけることができました。

DIY商品を扱う「MATERIAL中川町」を2016年12月にオープン。輸入壁紙や坂田さんがプロデュースするペンキなどを販売しています。
DIYに関するフリーペーパー「MATERIAL」も発行。

働きづめだった東京時代に比べ、家族との時間が格段に増えました。

Q.実際に移住してみて、ご家族の様子はいかがですか?

やっぱり子どもが喜んでいるのが一番うれしいですね。私たちに気を使っているのかもしれませんが、6歳の娘は「もう東京には帰りたくない」なんて言うんです。幼稚園の環境もよくなったので、毎日楽しく通っているようです。この夏は3日に1回くらいは海に出かけていました。脇田にある海釣り桟橋にも度々行き、釣りを楽しみました。子どもは相当楽しんでいますよ。そして、夫もこちらの生活をすっかり満喫していて、毎日のように仲間と飲み歩いています。若松はもちろん、小倉まで。きっとこれも街の活性化の一つですよね(笑)。

Q.暮らしの環境はいかがですか?

まず、家にとても満足しています。今住んでいるのは、石炭商が住んでいた築100年くらいのお屋敷。東京ではなかなか手の出ないような建物に住むことができるのは素晴らしいですよね。この前、ムカデとか大きいクモとかが出てびっくりしましたけど(笑)。あと、車は必要かもしれませんね。私はペーパードライバーなので、もう一度運転の練習をしようかなと考えています。普段の買い物は夫が連れて行ってくれたり、歩ける距離のスーパーに行ったりしていますが、運転できれば一人で出かけられますもんね。

子どもと一緒に海遊び。昔を思い出します。
まちづくりイベントで『あじさいゼリー』を販売。
自宅も子どもと一緒にペイントして改装しています。

今も月に2回は仕事で東京へ。スタッフとのいい距離感も生まれました。

Q.坂田さんご自身の生活はどう変わりましたか?

ゆっくりできる時間、家族と過ごす時間が増えました。東京にいた頃は、遅くまで会社にいたし、延長保育も当たり前。子どもに夜ご飯を食べさせた後、また会社に戻って終電まで働く、なんていうこともよくありました。親子の時間はほぼなかったかな。でも今は、仕事は17時までと決めています。それ以降は子どもとの時間。それでは仕事が回らない時は、朝早起きして片付けるようにしています。以前は土日も働くことが多かったのですが、それもやめて家族と過ごすようにしています。そういう面では家族のためにも移住してよかったと思います。でも、こちらでできる仕事はデスクワークが中心。やはり社長という立場なので、お客さまとの打ち合わせや取引先との契約など、東京でやるべき業務もあります。月に2回は東京に行くのですが、その時はみっちりスケジュールを詰めて、なるべく早く北九州に帰って来られるようにしています。

若松でも積極的に活動。若戸大橋が見える場所にある古いビルを、カフェバーやゲストハウスに改装する予定なのだそう。

Q.仕事面で良かったことを教えてください。

心に余裕ができて、新しいことを始める気持ちが生まれたり、今まで以上に深く考えられるようになったりしたことです。自分のクリエイティブな制作活動、そこに割ける時間が移住前はなかったですね。東京のスタッフと距離を置くことで関係性もよくなったと思いますよ。この前、言われたんです。「早く帰りやすくなった」って。私が遅い時間まで働いていたから、周りのスタッフも帰りにくかったんでしょうね。スタッフたちは責任も増えたでしょうけど、きっと仕事がより楽しくなったと思います。

仕事が自由になる人は都心に縛られず、好きな場所に暮らせる時代。面白い人が集まる若松、オススメです。

Q.これから先のことはどう考えていますか?

今の生活を気に入っているし、子どもが小学校に入ることもあって、しばらくはこのままだと思います。今はこの環境がベストだけど、子どもの成長に合わせて、その時期その時期に、一番いい場所に住んでいたいですね。

Q.福岡県に移住を考えている人にメッセージをお願いします。

ぜひ若松に来てください! 面白い人がたくさん集まらないと新しいまちづくりはできない。パソコンで仕事ができる人は都心に縛られなくてもいいじゃないですか。そういう人は行きたいところにどんどん行っちゃえばいいと思っています。福岡県が気になっている人が多いのか、私たち夫婦も移住に関して色々聞かれることが多いんです。そういう時には全力で「若松いいよ!」と言っています。例えばこの「NAKAGAWA Spoil」の入口君も神奈川出身なんですよ。若松は移住してくる人にウェルカムと言ってくれる人が多い。迷ったら一度遊びに来てください。仲間がいると移住後の生活がもっと楽しくなりそうですよね。

「NAKAGAWA Spoil」の入口翔さんは、坂田さんとの繋がりで若松に移住して来た一人。
シェアハウス「サイクルステーション」は看板店だった建物をリノベーション。移住して来た若者が住んでいます。

※当インタビューは、2017年10月3日に行われたものです。

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