Uターン
- Profile
- 中園勝也さん(28歳)
- Data
- 2015年3月に、6年間生活した東京都調布市から田川市伊加利(いかり)にUターン。2世帯住宅の実家で、両親と祖父母と暮らしている。
- Work
- 町役場職員
Q. 移住のきっかけを教えてください。
大学まで福岡にいましたが、就職は東京でしました。あまり県外に出たことがなかったので、ほかの地域も見てみたかったんです。東京に住んで5年くらい経ったころから、同世代の友達との会話に、親が元気なうちにあと何回会えるだろうという話題がのぼるようになりました。ほとんど帰省していなくて、帰ったとしてもお盆とお正月のわずか6日間くらい。心機一転して大阪など別の場所での生活も考えていたのですが、親に何かあったときすぐに駆けつけることができないし、長男ということもあるので、地元に戻ることにしました。親には戻る話をまったくしていなかったのですが、喜んでくれたのでよかったです。
Q. 糸田町の思い出を聞かせてください。
糸田町は地元の田川市伊加利から近いということもあり、花が好きな祖父と一緒に出かけていました。思い出深い場所は、桜の名所として知られる「皆添橋」です。春になると、中元寺川沿いの桜並木がとてもきれいなんですよ。また、アジサイと田園風景を楽しめる「あじさい園」には、今年の4月にボランティアで肥料をまいたり雑草をとったりしました。思い出の場所に、少しでも恩返しができてよかったです。
Q. 街並みは変化していましたか?
糸田町は、いい意味で変わっていませんでした。雰囲気が子どもの頃と同じなのでホッとしました。ただ、バイパス沿いはずいぶん変わりましたね。いつの間にか飲食店が増えて、とても便利に。国道沿いにある「道の駅いとだ」に友達とたまに行きますが、ここはまっ黒い石炭ソフトがおいしいんですよ。車が必需品かもしれませんが、こっちで乗るようになってから、自分は運転することが好きだということに気付きました。子どもの頃に自転車で通っていた道を車で通ると、当時の思い出がよみがえってきて楽しいんですよ。
Q.休日はどんなことをして過ごしていますか?
生活のリズムが変わり、前よりも健康的な毎日を送れています。東京で生活していたころは1人暮らしをしていて、寝るのはだいたい0時くらいでした。でも、実家だといつの間にか親の生活リズムと同じになって、早い日は22時に寝ることもあるんですよ。休日は、地元の友達と遊んだり、家でゆっくりDVDを観たりして過ごしています。たまに役場の方と町民グラウンドで野球をしていて、先日は役場対抗の親善試合に出場しました。
結果は…さっぱりでした(笑)。
Q. Uターンするにあたり不安だったこと、苦労していることは?
前のシステムエンジニアの仕事では、人に接する機会があまりなかったので、人間関係が少し心配でした。現在働いている役場では、窓口に立って地域の方々の対応をすることがあるのですが、実はまだ慣れていなくて・・・。ただ、周りの人たちが意見をストレートに言ってくれところは助かっています。例えば上司や同僚に仕事の相談をしたときも、通常だと言いにくいだろうことでも遠まわしにせず言ってくれる。遊びに行くときも、はっきりと行きたい場所を挙げてくれるのでとても動きやすいんですよ。
Q. 現在の仕事について教えてください。
東京ではシステムエンジニアの仕事で、仕様書というシステムの説明書を書いたり、プログラムを作成したりしていました。転職先は同じ仕事を視野に入れつつも、安定した公務員も探していました。たまたま求人サイトで糸田町役場の情報を見つけ、パソコンの技術職の枠に応募。システムエンジニアの仕事と毛色は違いますが、多少なりとも共通している部分があると思ったんです。具体的には、電算係としてパソコン機器の管理や設定を担当しています。誰かのパソコンの調子が悪いときに状態を見たり、ソフトをインストールしたり、新規職員のパソコンを用意したりするのが主な業務内容です。使い方に困っている方から感謝されたときはすごくうれしいですね。終業時間は基本的に18時くらいですが、システム機器の入れ替え時は0時を回ることも。職員がパソコンを使用しているときは作業ができないので、みんなが帰ってからじゃないと作業を始められないんですよ。ちなみにまだ経験していませんが、OSのバージョンアップのときはかなり大変だと聞いています・・・(笑)。
Q. 移住を考えている方へメッセージをお願いします。
1月に試験を受けて、採用が決まったのは1月下旬か2月上旬。そこからバタバタ準備を始めたので、1人で引っ越し作業をしたことがなかったこともあり、本当に大変でした。引っ越しの準備は、余裕をもって行うことが大切だと痛感しました。また、もしも転職する気持ちがあるのなら、「転職サイトってどんなものなんだろう?」とサイトを眺めてみるだけでもいいと思います。僕も公務員の勉強を、まずは「どんなものだろう?」と始めました。思うだけでやらないことって結構あるので、とりあえず一歩踏み出すとやるべきことが見えてくるはずですよ。
※当インタビューは、2015年10月16日に行われたものです。
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