移住者インタビュー

LIFE STYLE うきは市

都会で生まれ育った人にも住みやすい、田舎暮らし入門編としては最適な場所ですよ。

移住者DATA

ターン

Profile
石田 大介さん(39歳)
Data
元々、田舎暮らしに関心があり、東日本大震災の際ボランティアに参加したことがきっかけで東京から福岡への移住を決意。
Work
農業を営む傍ら、夫妻でミュージシャンとしても活動

以前から自然の多い、田舎暮らしに戻りたいとは思っていました。

Q. 移住のきっかけ・福岡を選んだ理由を教えてください。

以前から自然の多い所、田舎暮らしに戻りたいとは思っていました。そんな中、震災で大変なことになった東北の石巻で、ボランティアという形で震災直後から関わらせてもらって、といったことがきっかけとなりました。

それから九州には音楽の演奏で何回か通わせてもらっていて、九州の魅力に自分達がノックアウトされたと(笑)。九州の中で福岡県、それも「うきは市」っていうのは友人のご縁ですね。自分達より先に移住してきた仲間が福岡のうきはで暮らしを始めていて、「とてもいい所だ」「実際こういう所なんだ」っていう話を聞き、それならまずは行ってみようということで福岡のうきはになりました。

Q. 移住にあたってどんな準備をしましたか?

自分は移住するにあたって、とにかく身軽でいこうと。身軽で。

なぜそういうふうに思ったかというと、震災の時に被災された人と話す機会が多くありました。被災されたにもかかわらず、笑顔で、「いやー、うちは大丈夫だった」とおっしゃるんです。「津波大丈夫でしたか?」って聞いても「大丈夫だった、柱一本残った!」と、柱一本しか残ってないのに笑って。きっと複雑な心境でいらっしゃったでしょうに「もう、ここから始めるしかない」というふうに話されるのを聞いて・・・。

震災直後の東北は、みんなが善かれと惜しむことなく助け合う空気が自然に広がっていきました。自分も気付けばできる限りのことをやっていました。悩んだりする間もなかった。物にとらわれずに、まず体がひとつあれば、なんだって始められるということを強く感じました。余計な心配も余計な荷物も必要ないなって。自分もおのずと身軽になりました。

自分を含め、人の力だったり、人の良心・人の想い・人の心を信じる体験をしたことが大きいですね。まずはそこから出発しようというのが自分にとっての準備でした。

人の優しさが柔らかくて、土地の空気もほんわか柔らかい感じ。心地いいですね。

稲刈り後の田んぼを歩くお子さん

Q. 実際に住んでみていかがですか?

九州はどこも本当に素晴らしいんですけど、特にこの辺りっていういのは、すごく人が柔らかくて、優しさが柔らかく、土地の空気もほんわか柔らかい感じ。その柔らかさと人の親切さがすごくあったかい。心地いいですね。

それにうきはは田舎なんだけど利便性もあって、今まで都会で田舎暮らしを体験したことがない人、都会で生まれ育った人にも比較的住みやすい、田舎暮らし入門編としては、もう最適でしょう。

自分達も、(僕は田舎の出身ですが、自立してからの)田舎暮らしの経験はなかったんですけど、そんな自分達でも田舎暮らしを始められる場所。街中・平地部から車で5分10分入れば山間部だし、次に山間部で暮らしたいって思った時にも、すぐにそういう暮らしの場所があるっていうのも魅力です。

耳納連山に沈む夕日

Q. 移住して不安はなかったですか?

移住して来て最初の頃、仕事も暮らしもなにもかもが新しいことだらけの中で、当然不安もいろいろありました。

最初に働かせてもらったのが山の上の柿の果樹園でのアルバイトで、柿の木に上がって摘蕾摘花の作業をしている時に夕方、夕日が山の上に沈む。その夕日で柿畑一面がパーッと染まって。その圧倒的な美しさに、その不安も励まされたっていうか、癒されて。一つ一つ、一歩一歩進める励ましになっていましたね。

「幸+福」のライブ演奏。「山麓家」にて。

Q. 農業以外に、ミュージシャンとしても活動しているそうですね。

音楽活動は自分がギタリストで、妻がシンガー。夫婦で「幸+福(さちとふく)」っていう家族ユニットをやってます。このユニットを中心に、演奏だったり、いろんな即興演奏をしています。

今は、子どもが1歳半なので無理なくできる範囲でなんですけど、地元の祭りとかイベント、それに地元のフェスから呼んでもらったりとか。あと関東や関西からも年に数回呼んでもらって演奏しています。

Q. 東京で音楽活動をしていた時と今の違いは?

今は日本中・世界中、インターネットがあるので、どこに住んでいてもあまり関係がない時代になっています。だから変わりはないんですけど、何ヵ所も演奏した後、帰ってくる場所が満員電車で帰る場所ではなくて、自然がすぐそばにある場所っていう、なによりもそれが大きいですね。

作物って1年に1回しかできないじゃないですか(笑)。自然が育む大きな時間の流れを意識するようになりました。

Q. 移住して、考え方に変化はありましたか?

変化ありました。長い目で見るように、考えるようになりました。1週間後・1ヵ月後・半年後・1年後ではなくて、5年10年、1世代2世代かけて育むことの大切さに気づかされました。作物って1年に1回しかできないじゃないですか(笑)。50年やった人でも50回しかやってないっていう。田んぼひとつとっても、先祖代々石を積み上げて、自分達の世代だけじゃなくて次の世代へ、ってつないでいく。

都会の時間感覚から田舎の時間感覚に変わったことが大きいかもですね。田舎の時間感覚っていうのは、より自然の時間感覚だと思います。自然の時間感覚っていうのは、今の世間の時間の流れ、都市の時間の流れ、商品の時間の流れとは全然違う大きな流れ、そんなふうに時間の大きな流れを意識するようになりましたね。

Q. これから福岡で農業を始めたいという方にアドバイスやメッセージをお願いします。

僕なんか農家に入門させてもらって、新米百姓なわけですよね。自分の肩書は新米百姓だと思うんですよ。で、田舎暮らしっていうのは、すなわちお百姓さんの暮らしだと思うんです。僕は、現代のお百姓さんをめざしているんですけどね。

お百姓さんの暮らしっていうのは、会社に勤めて仕事を与えてもらうとか、枠があるわけでもないので、なんでも自分で作らなきゃいけない。でもまだ僕は、自分の枠があって、なんでもお金で買える社会に慣れてしまっているので、やっぱり大変なことや慣れないことだらけです。毎日学ばせてもらってるコトばかりです。

今振り返ってみると、最初は大変だけど、必ず充実してくるので、何よりも「焦らない」ということが大切だと思います。あとは、周りの人の助けを素直に受け入れる。素直に助け合える心の準備は必要だと思います(笑)。

で、アドバイスはといわれると、今は農業だけで食べていくのは本当に難しい時代だと思います。だからこそ「半農半X」って言葉があるように今まで培った何かがほんとに生きてくるのが新しい田舎暮らしのライフスタイルなのかなとも思います。うきは市では、町並み交流会館にもなっている吉井町の山麓家(さんろくや)っていう場所が、移住者と地元の人が集まる場所になっているので、そこに来てもらえれば自分も相談にのりますよ。

※当インタビューは、2014年12月16日に行われたものです。

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