ふくおかよかとこ移住相談センター

半農半Xは当たり前?! ~香春町~

市町村情報 福岡

2021.10.08

ころんとした優しい形の山ですね
北九州市のすぐ下、筑豊エリアにある香春町の風景です

福岡市内から車で1時間強
小倉からだと30分かからないこの場所で、

何やら“半農半X”がハヤっているというウワサが~

香春町には5名、地域おこし協力隊の方がいますが、
そのうちの2名が「半農半X」担当なのだそうです

このところ、移住相談の中で、
「畑とかやってみたいんだけど」
といった相談が増えています
また、
「自然の多い場所に住みたいけど、仕事があるかどうか~」
という不安をお持ちの方も多いです

そういう方々に、何かヒントになるものがあるのでは、と
さっそく調査にでかけました

レトロなこの建物は、JRの採銅所駅

建てられたのは100年以上も前らしく
このあたりは、奈良時代から銅鉱石の採掘が行われていた場所

採れた銅は奈良の大仏の建立や大分・宇佐八幡宮の御神鏡鋳造にも使われたそうです

現在は、駅としての機能に加えて、
“香春町の玄関口”として、移住交流の拠点となっています

地域おこし協力隊員さんたちが、移住希望者さんの相談にのったり、
移住されてきた方々と住民の方たちをつなぐようなイベント
を行ったりもしています

移住相談にのってくれるのは、
このにこやかな地域おこし協力隊員のみなさん

右から「ナリワイづくり」担当の小野沢春輝さん、
「移住と交流の場づくり」担当の市岡実幸さん、
そして、
「半農半X」担当の三村信也さんと小玉篤美さんです

小野沢さんは、移住3年目にして「香春町総合計画策定委員」に任命され、
これからの香春町をどんな町にするか、その計画づくりの一端も担われているそう
小玉さんはビーガンなど菜食料理家、
市岡さんはヨガや曼荼羅アートの先生
そしてみなさん、多様な農業、
たとえば小玉さんは自然農、市岡さんはパーマカルチャー、
三村さんは有機栽培といった形で農作物を作られています

*パーマカルチャーとは、パーマネント(永続性)、農業(アグリカルチャー)、文化(カルチャー)を組み合わせた造語。永続可能な循環型の農業をもとに、人と自然がともに豊かになるような関係性を築いていくためのデザイン手法。


協力隊の皆さんの香春町での生活の様子やご活躍は、
カワラカケルをご覧くださいね



今回の調査では、三村隊員の仕事場?!にお邪魔することにしました


合鴨ちゃんたち

循環型の農園づくりを目指している三村さん
桂川町の古野農場にて合鴨農法を学びに行き、
まずは0.5反(約500㎡)の田んぼ作りから始められました

昨年の収穫は、180Kg。
おもに自家消費でしたが、
今年は1.3反にまで拡げています




雑草を食べてくれるメイちゃん

毎朝卵を産んでくれるニワトリさんたち

ホシノブラックというメスが3羽と、天草大王とのハーフの雄1羽がいます

ヨチヨチ歩くアヒルさんも♡

二ホンミツバチもたくさん

この1段で、2ℓのハチミツが採れるそうです

とても趣のある家ですね~
三村さんが最近手に入れた新居です

お部屋の数は8つもあり、
トラクターや車までが入る大きな倉庫が2つもついた広い物件です

家の中は、床もはがれ、
かなりボロボロです(失礼^^;)

三村さんはこれからご自身でリフォームされて、
シェアハウスにする計画

“半農半X”を試したいとは思いつつ、
本当に自分にできるのだろうか、など
何かと不安はあるもの

そんな方々が、
このシェアハウスを利用することで、
現在の仕事を続けながら、週末だけ農業をしにくる、
とか、
がっつり1年間、ここで経験を積んでみる、
など、
自由に集って情報交換ができる場になりそうだ


彼の目指す循環型の農園づくり

お米も野菜も果物も、すべて無農薬で有機で育てます
合鴨やヤギさんたちに雑草や害虫を食べてもらい、
その糞が田畑の栄養となる
合鴨たちは、特別な日のごちそうにもなります
今後本格的に始める予定のブルーベリーやブラックベリー、レモンなどの果樹栽培でも、
ミツバチたちがおいしい果実作りの手助けとして大活躍してくれることでしょう

さて、それではいよいよ半Xのお話を

こちらは香春町名物の“あま干し柿”
ふつう柿を干すと皺ができて薄っぺらくなりますが、
あま干し柿はまん丸いままで、中はトロトロです

香春町では、
・渋柿の収穫と干し柿作り
・竹林整備とタケノコ収穫
・草刈り
こういった作業のお手伝いなど現金収入となるお仕事は、いくつもあるようで、
三村さんも採銅所の園芸部会などから声がかかって、加勢に行かれるそうです

このほか、香春町でのX(エックス)の可能性としては、
・果樹、米、野菜などの農産物の加工品作り
・薪作りと販売
・ニホンミツバチの蜂蜜販売
などもあります


三村さんの地域おこし協力隊としての任期は来年の3月までです
その後は、
・シェアハウスのオーナー兼管理人
・循環型農園を農園キャンプ場として開放
という新規事業も考えているとのこと

耕作放棄地の整備などを行い、シェア農園を開始
管理と栽培サポートを行う
わな猟師としてイノシシなどを捕まえたり
(町の有害鳥獣駆除員になると、報償金も出るそうです)
また、シェアハウスのリフォームのために第二種電気工事士の資格も取られたので、
地元の電気工事のアルバイトなどの仕事もありそうです

まさに可能性の宝庫で、
とはいえ、三村さんが10人いても手が回らないのではというボリュームです
…どなたか今すぐ移住して、手伝ってあげて欲しいような(笑)


そんなXの宝庫の香春町

町役場で、香春町での生活や移住の支援について、
まちづくり課の加々見課長補佐と村上さんからお話をうかがいました



まず、子育て世帯が気になる教育関係から

この春、学校が再編され、義務教育学校の香春町立香春思永館が開校
ぴっかぴかの校舎に1年生から9年生(中学3年生)までが通っています

最先端の電子黒板による授業、
1年生からネイティブスピーカーによる英語のクラスもあります





移住を考えている方に向けては、こんなに様々なラインナップがあります

詳しくは、下記のリンクからご確認くださいませ

今年度からは特に空き家の掘り起こしに力を入れているとのことで、
空き家をリフォームして住む場合には、
上限80万円の補助金が出ます
(新婚・子育て世帯には100万円!)


先ほどの三村さんちのリフォームは、かなり手間も費用もかかりそうですが、
そのままで住める物件もあります。
ちなみに前述の菜食料理家の小玉さんの家は、

こんなに広くて使いやすそうなキッチンがあります

これならたくさんの人たちと作業するのも楽しそうですね


移住を視野に入れて香春町を訪れ、町内の宿泊施設に泊まると、
最大3万円の補助金が出る支援もあります

宿泊施設のおすすめは、村井屋さん
地域おこし協力隊を卒業された村井勇輝さんがオーナーの体験型民泊です

どんな体験ができるかというと、
軽めのコースから岩登りまで3つのコースがある登山体験
竹を使って、ベトナムの民族楽器「竹琴(トルン)」やスマホ用のスピーカーを作る体験
ピザ釜でピザ作りやハヤ釣りなどもできます

村井さんは大阪からの移住者で、
アウトドアイベント講師といったユニークな肩書も
移住にまつわる経験談はもちろん、
おもしろいお話がたくさん聞けそうですね

こちらが竹で作ったスマホ用のスピーカー
中に入れるだけで、金属的な音も優しい音色に変わります
これを作りに、また村井屋さんに行きた~いって思うほど、
なかなかにスグレ物です
宿泊の方は4000円、日帰りの方は5000円で、
後ろの大きな竹スピーカー作り体験ができますよ

自然の美しさ
半農半Xの宝庫
人のあたたかさ

「ここに住むと、他にも何か特典はありますか?」
と協力隊の方々に聞いてみました。

「ここでなら、何をやっても第一人者になれる
この町がド~ンとブレイクする前の、初期メンバーになれますよ」
小野沢さんのこの言葉が、とても印象的でした。

香春町の協力隊員の方々は、ハイテクを使いこなせる方ぞろいで、
何かを作って販売する時にも、
「それはこんなシステムでネットにのせればいいんじゃない?」
なんて、色んなアイディアが出てくるよう

彼らが、
これから移住して来られる方々の、新たなナリワイを作る強い味方になってくれることは間違いなさそう

一歩目をどう踏み出したらいいかわからない
そんな方は、ぜひこの”第二待合室”へ
協力隊の面々が、一緒になって夢の実現に向けてガッチリと相談にのってくれそうです

*本文中の写真は、地域おこし協力隊の小野沢春輝さんと三村信也さんにもお借りしました。
ありがとうございました!

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