ボタ山に月が出た—昭和遺産の町・田川とその周辺を訪ねる—

~来てみらんばい、筑豊のど真ん中へ~

田川市 居住体験

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観光列車を追いかけて

カテゴリ:その他 更新日:2015.12.13

少し遡って、田川に着任直後の先月の連休初日の21日。ぼくは毎年恒例という、日田彦山線での特別列車「みのり号」を取材した。門司港駅を出発し、歓遊舎ひこさん駅まで運行して折り返す、いわゆる観光団体列車だ。
http://railf.jp/news/2015/11/22/205500.html
軽い鉄ちゃん(鉄道オタク)なのだが、もっぱら乗るのが好きなだけで、詳しいことはまるでわからないぼく。日田彦山線は非電化のディーゼル区間だとだけは聞いていた。調べると、例年はJR九州色のキハ47が使用されることが多いみのり号だが、今回は長崎地区で活躍中の国鉄色「キハ66・67」が登場し、ファンを喜ばせたという。
この情報をもたらしてくれたのも、先述の「食人市」で知り合った方。市の当局者には何も聞かされておらず、タイムテーブルも“呑みの市”で田蔵の女将さんにもらった。ともあれ、田川市並びに郡域である程度長く停車するのは採銅所駅、香春駅、田川伊田駅のみ。全線単線区間である日田彦山線の通常列車の運行の都合上、それらの駅で乗客を降ろし、列車は待避(あるいは待機)したわけだが、歓待のイベントが各駅で行われる様子を記事にしようと思ったのだ。

それが公開までだいぶ間が空いてしまい、ブログの即時性にもとるのはご容赦願いたい。が、鉄道を追いかけ、車を走らすという、まるで映画の一場面のような時間となり、大変慌ただしかった一日として記憶に強く残っているので、あらためて記しておく。

これにかこつけ、採銅所駅では駅舎開業100周年の盛大なイベントを開催。同駅は旧小倉鉄道が開通した1915年4月1日に開業している。かつては石炭や石灰石の産出でにぎわった沿線だったが、60年代以降は閉山が相次ぎ鉄道輸送も激減し、ついには無人化。その寄せ棟造りの平屋建て洋風木造駅舎も一時、老朽化のため解体が検討された。
が、地域住民の間で保存運動が起き、JR九州から無償で譲り受けた香春町が2011年2月に文化財に指定。修復工事を実施し、その後は同町の観光スポットともなり、映画の撮影にも使われたとか。外壁の装飾や待合室天井の星形文様などに大正期の建築の遺風が漂う駅舎に乗客のみならず、訪れた観光客もしげしげと見入っていた。本当はひっそりと訪れ、その風情を味わいたかったが、こうした“枯れ木も山のにぎわい”もまた悪くない。
ちなみにこの言葉、本来の意味から逸れて、以下のような解釈をされるようになっている。むろん、ぼくは後者の意味で使っている(笑)。
http://prmagazine.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2011_11/series_08/series_08.html

同駅での停車時間は70分ほど。参加ブースも20を超えていたろうか。田川にルーツを持つラーメンの「山小屋」も出店していた。そこで購入したレモンとシークワーサーは大変香りがよく、焼酎に加えて飲むと格別だった。また、近隣で評判の「そば処 竹庵」が屋台を出しており、大勢が行列を成していた。
ぼくも食券を買って食べてみたが、甘い蕎麦の旨味が食んだ途端に口中に弾け、なかなかオツだった。どうやら同店は日頃、完全予約制らしい。そのこだわりぶりは田川広域観光協会のサイトでも紹介されているのでどうかご覧あれ。

そこで展開された町を挙げての祝典の様子も大変微笑ましかった。多くの町民が歌や踊りを披露し、プロの演歌歌手のステージもあった。が、中で印象的だったのが採銅所小学校全生徒によるコーラス。それを感慨深げに見守っていた中学生のグループがいて、聞けば同校出身者だという。それを感慨深げに見守っていた中学生のグループがいて、聞けば同校出身者だという。現在の生徒数は80名を割り、彼らの在籍時に比べてもかなり減ったとか。ここにも過疎の現実が反映されている。

所変わって、香春駅でのイベントは停車時間も20分と短めなので、ぐっとこじんまり。しかし、よりアットホームな雰囲気で落ち着けた。大分の天領・日田からも観光協会が参加し、名物の焼きそばを作り方を説明しながら販売していた。また、ミニSLの線路が敷かれ、子どもも大人も大はしゃぎで乗っているのを見るのも楽しかった。お祭り好きの九州人の中でも、筑豊人はことにその様子だ。

そして、ここでも大切な出会いがあった。自家製のカボチャスープを売っていた阪本農園さんだ。その若き夫婦の希望に燃えるエピソードを次回、しっかりとお伝えしたい。

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