移住者インタビュー

久留米市 髙橋 那月さん

オンラインイベントで、事前に地元の方々と交流。たくさんお話できたので、移住後に会った時は、まるで昔からの知り合いのようでした。

移住者DATA

Iターン

髙橋 那月さん

Profile
髙橋 那月さん(28歳)
Work

グラフィックデザイナー

宮城県石巻市出身。もともと「30歳までに地元を離れて、新しい場所で生活したい」という思いがあり、日頃から移住関連のオンラインイベントに参加。久留米市の住民とモニター越しに交流するうちに、人柄に惹かれて同市への移住を決意した。2021年6月に移り住み、初めての一人暮らしを送っている。

こんなに愉快な方々と関わりながら生活できたら、どれだけ楽しいことだろう?想像する度に、久留米への関心が高まりました。

Q.久留米市に移住するまでの経緯を教えてください。

旅行で全国を見てきたなかで、九州は都会と自然のバランスが良く、なかでも福岡県は交通アクセスが抜群でした。次第に、人生で一度は福岡に住みたいと思うようになり、SNSで見つけた「オンライン全国移住フェア」という移住促進イベントに参加。各県の担当者に1対1で相談できたので、福岡県の窓口の方に、利便性の良い街はどこか、デザイン系のお仕事があるかなど細かく質問をしました。その結果、当初は福岡市内がいいかなと考えていました。しかし、念のため他の街のことも知っておこうと、久留米移住計画が主催するオンラインイベントを覗いてみることに。すると、タクシーに乗って街を紹介したり、移住希望者に地元の特産品を詰め込んだ「感覚BOX」を贈ったりと、どの企画も本当にユニーク!なんといっても、そこに関わる方々が活き活きしているのが印象的でした。「みなさんと関わりながら生活できたらどれだけ楽しいだろう」と、私の興味は徐々に久留米へと移っていきました。

Q.移住に対するご家族の反応はいかがでしたか?

「いきなりそんなに遠くに行かなくても」と驚かれ、女性1人ということで心配もされました。ただ、もともと好きなことをさせてくれる親なので反対されることはなく、最後には「やりたいことをやりなさい」と背中を押してくれました。友人にも、ずっと福岡に住みたいと伝えていたので、「いよいよだね」と応援してもらえました。正直、みんなと離れるのは寂しかったですが、いざ引っ越してみると、テレビ電話があるのでそれほど距離を感じません。

Q.移住するにあたって準備したことはありますか?

本来であれば、久留米市が移住希望者を対象にトライアルステイを実施しているのですが、コロナの影響で中止になりました。その代わりに、住民の方々を集めてオンラインイベントを行ってくださいました。同じ年代のデザイナーさんのお話が聞けるなど、とても貴重な経験ができました。また、定期的に「くるめオンライン公民館」※に参加して、地域の方と交流を深めていきました。今の時代、インターネットでも地域情報を調べられますが、やはり現地の方と話したほうが、細かい意見を聞くことができて参考になります。コロナ禍にも関わらず、移住前にこれだけ多くの方とお話しできたのは、市役所や久留米移住計画のみなさんのおかげです。実際に久留米に来てみなさんとお会いした時は、まるで前からの知り合いのようで不思議な気分でした(笑)。

※くるめオンライン公民館・・・筑後川流域・筑後平野エリアの暮らしについて、公民館のように楽しみ、学び、議論しあうオンラインメディア。 https://onlinekominkan.wixsite.com/kurume

Q.住む場所はどのようにして決めましたか?

久留米に1週間滞在して、アパートを見て回りました。良い物件を見つけることができましたが、残念ながらその時は、まだ内見できる状態ではありませんでした。しかし後日、久留米移住計画の方が、部屋の中をオンラインで映してくださることに!おかげで、宮城にいながらでも部屋をしっかりチェックでき、安心して契約できました。

Q.移住するにあたり不安や大変だったことはありますか?

事前にオンラインで地域の方々と交流していたので、不安どころか楽しみしかありませんでした。ただ、みなさん口をそろえて「夏が暑い」と仰っていたので、宮城生まれの私が耐えられるかという心配はありましたね。実際に、1年目の夏はエアコンに頼りっぱなしでした(笑)。でもそのぶん、冬は宮城よりも暖かいはずなので、とても期待しています。大変だったといえば、やはり引っ越しです。宮城から福岡までの長距離に対応した業者が見つからなかったんです。大手でさえも応相談ということだったので、手間や予算を考慮して、通常の宅急便で最小限の荷物を送ることにしました。残りは自分の車に積んで、2日間かけて久留米まで運転しました。

人に恵まれていることを、実感しながらの生活。その場限りではない温かな関係性を築けています。

Q.住み始めてからの久留米市の印象を教えてください。

予想していたとおり、温かい方ばかりでした。1人と知り合いになると、「紹介したい人がいる」と繋げてくださり、人脈がどんどん広がっていきます。子育て支援施設の「じじっか」の方々、そこにわってくださっている社長さんなど、すでにたくさんの知り合いができました。また、お店に行くと、スタッフの方の接客がフレンドリーで驚きました。「何かあったら言ってね」と名刺をいただき、後日「こんなことがありました」と報告すると、ちゃんと覚えてくださっているんです。なかでも「ツキシマコーヒー」の店主とは、同じ移住者ということもあり仲良くさせていただいています。どの方とも、その場限りではない温かな関係性を築くことができ、人に恵まれていることを実感しながら生活しています。

「じじっか」で仲間たちと一緒に。髙橋さんにとって、「じじっか」はまさに第二の実家。(C)Futoshi_Akiyama 
お気に入りのカフェ「ツキシマコーヒー」にて。淹れたてのコーヒーを飲みながら店主・照井さんと談笑。
「ロゴのデザインに携わった「じじっか」でくつろぐ髙橋さん。

Q.現在のお仕事について教えてください。

フリーランスのグラフィックデザイナーとして、名刺や企業のロゴ、チラシ、ポスターなどを制作しています。宮城に住んでいた頃は屋外広告・建設関係の会社に勤めていましたが、移住を機に独立しました。最初は、就職してデザイナーとして働くことを考えていたのですが、せっかくの機会なので独立してみよう、駄目だったら就職すればいい、と完全に開き直っていましたね(笑)。仕事は、以前勤めていた会社のほかに、地元の知り合いに紹介してもらったデザイン会社からもいただいています。また、仲良くなった居酒屋の方に依頼されて、名刺を制作したこともあります。ちなみに、「じじっか」のロゴの一部も私がデザインさせていただきました。

Q.お仕事でやりがいや苦労を感じるのはどんな時ですか?

やはりお客さまに喜んでいただいた時ですね。「こんな反応があったよ」と嬉しそうに報告してもらうと、作ってよかったなとしみじみ感じます。ただ、1人でやっているので、デザインに偏りが出ないようには注意しています。会社勤めの頃は、同僚に意見を聞いたり相談したりしていましたが、今はそれができません。日頃から本や街の看板などを見て、いろいろなデザインをインプットするように努めています。

「じじっか」で絵を教える髙橋さん。「これまで子どもと接する機会がなかったため、貴重な経験です」と語る。

Q.デザイナーのお仕事以外で活動されていることはありますか?

「じじっか」では、ひとり親家庭の方などに食事を振る舞う「親子食堂」を行っています。私はそこで、配膳を手伝ったり、車がない方に配達をしたりしています。また、「じじっか」の代表の「さまざまな体験を通して、子どもたちに興味のあることを見つけてもらいたい」という思いに共感して、子どもたちに絵画を教えています。同じ題材でも、みんな違うように描くので、ものの見方は人それぞれなのだと改めて勉強になりました。さらに、県外の方に久留米の魅力を広めたいと思い、久留米移住計画のメンバーとしても活動しています。現在、来年1月の移住促進イベントに向けて、移住者ならでの客観的な視点を活かして、面白い企画を考えているところです。

「場所」ではなく、「人」を重視して移住先を選ぶ。人と関わることを視野に入れて生活すると、徐々に可能性が広がっていくはずです。

Q.福岡県や久留米市の魅力を教えてください。

少し行くと都会、少し行くと自然があります。特に久留米は、いろいろな場所にアクセスしやすいので、九州をまるごと楽しみたいという方におすすめです。市内には気分転換できる場所がたくさんあり、私はよく筑後川沿いをドライブしたり、「高良大社」で景色を眺めたりしています。さらに、近所には居酒屋も多く、お酒を飲む場所に困りません。ドラッグストアやスーパーなど、私の地元よりも夜遅くまで営業しているお店が多いのも助かります。

広大な筑後平野を見渡せる「高良大社」。
高良大社周辺は、もみじ狩りの名所としても知られる。

Q.これからこの街で、どのように暮らしていきたいですか?

人も気候も住環境も、宮城とはまったく違うので、今はすごく刺激的な毎日です。これから先も、フレンドリーな方々に囲まれながら、充実した移住生活を送ることができたらいいですね。将来的な目標は、移住してきた方や一人暮らしの方に向けた交流の場を作ること。知らない人と繋がるには、どうしても勇気が必要です。だからこそ、気軽に人と関われる場所があるといいなと考えています。

Q.移住を考えている人にメッセージをお願いします。

地域の方と仲良くなる秘訣は、出身地を伝えることです。私の場合、「宮城から来ました」と言うと、「そんな遠いところから」「行ったことがあるよ」と興味をもってくださり、会話が広がっていきました。「おすすめの場所はありますか?」と、移住者ならではの質問もおすすめです。地域の方と繋がることができたら、仕事も見つけやすくなるはずです。ですから移住先を探す場合は、「場所」ではなく「人」を重視してみてはいかがでしょうか。「人と関わる」ことを視野に入れて生活すると、たくさんの方が可能性を運んでくれると思いますよ。

※当インタビューは、2021年11月25日に行われたものです。

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