移住者インタビュー

LIFE STYLE みやま市

趣味のスケートボードから広がった人脈。念願の靴工房をオープンさせることができ、人の温かさを実感しています。

移住者DATA

ターン

栗原 一平さん(35歳)

Profile
栗原 一平さん(35歳)
Data

福岡県八女市出身。みやま市で妻と二人暮らし。福岡市の高校を卒業後、アメリカ・サンフランシスコの短大に進学し、スケートボードや音楽などのカルチャーに触れる。帰国後は福岡市と広島市で、靴の販売店や修理会社に勤務。2017年にみやま市に移住し、靴の工房「栗原靴店」をオープンさせた。

Work

靴職人

都会での生活は刺激に満ちて楽しいですが、目標ができたら、そこにこだわる必要がなくなりました。

Q.移住のきっかけを教えてください。

以前福岡市にある靴の修理会社に勤めていて、その頃から、技術が身についたら独立したいと考えていました。ちょうどタイミングよく、広島市内に住む知人の誘いで「一緒に靴の修理店を始めよう」ということに。広島に引っ越して準備を進めていたのですが、残念ながら、やむを得ない事情で計画が白紙になってしまいました。とはいえ一人でも工房を出したいと思っていたので、一旦、地元の八女市にある姉の家に住まわせてもらいながら、出店場所を探すことにしました。

転機となったのは、みやま市にある「クロキビスポークルーム」のオーナー・黒木さんとの出会いです。革のお店を営む方からの紹介でした。彼に出店場所を探していることを伝えたら、なんとお店の2階が空いていて、間借りさせていただけることになって…。こうして2017年、願ってもないかたちで「栗原靴店」をオープンさせることができました。1階でスーツの仕立てを行っているため、靴のオーダーメイドや修理を行うには最適な場所です。本当にありがたいお話をいただきました。

Q.移住するにあたって準備したことはありますか?

インターネットで住むアパートを探しました。それだけだと日当たりなどの詳細がわからないため、2〜3回ほど不動産会社に足を運び、物件を見学して決めました。それ以外はこれといって準備をしていません。というのも、基本的にどこででも生活していける性格なんですよ(笑)。ただ、都会での生活はもういいかなと思いは少しありました。やりたいことが特になかった時期は、刺激にあふれた都会は楽しいところでした。しかし、自分の工房を出すという目標ができると、わざわざ物価の高い都会に住む必要はなくなりました。

初詣で訪れている「下庄八幡神社」。創建約900年という長い歴史を誇る。

Q.移住してからのみやま市の印象を教えてください。

いざ住んでみると、コンビニやホームセンター、飲食店といったお店がたくさんあり、思っていた以上に街としての規模が大きいことに気づきました。そのようななかにも古い街並みが残っていて、神社など歴史のあるスポットも点在しています。また、のんびりとした性格の方が多い気がします。例えばスーパーにしても、都会だと当然ながら営業時間中はしっかりお店を開けています。でもうちの近所では、お客さんがいないと早めにお店を閉めることがあって(笑)。自分ものんびりした性格なので、こういった悠々自適な気質はとても肌に合います。

趣味という、思わぬところから人脈ができて仕事をするうえでの大きな支えになっています。

Q. 現在の仕事について教えてください。

現在は靴の修理をメインに行っていますが、これからはオリジナルの靴を作っていきたいと思っています。やりがいを感じる時は、やはりお客さんに喜んでもらえた時。ずっと大切にされてきた靴を、もう一度履けるように修理した時はとても感謝されます。これまでの職場では、お客さんと直接触れ合う機会はありませんでしたが、こうして喜ぶ顔を見られるようになって本当によかったです。現状のお客さんは、1階の店舗を利用する際に足を運んでくださる方が7割くらいで、あとは自分の知り合いです。これからはもっと自分のお客さんを増やせるように、イベントに出店するなど活動の場を増やしていきたいと思います。

Q. 休日はどのように過ごしていますか?

楽器をいじったり友達とお酒を飲んだりすることもありますが、一番多いのは趣味のスケートボードを楽しむことです。空き地や公園に行くと滑っている人たちがいて、自然と友達になれます。そこから人脈が広がっていき、実は黒木さんを紹介してくださった方ともスケートボードを通じて知り合いました。また先日、「川の駅船小屋 恋ぼたる」※に出店して財布などの革小物を販売したのですが、このイベントを行っている方と繋がったのもスケートボードがきっかけでした。みなさんから「今度、財布を作ってよ」と、直接仕事の依頼をいただくこともあるんですよ。趣味という思わぬところから、仕事をするうえでの人脈を築くことができています。

※川の駅船小屋 恋ぼたる
筑後市尾島にある施設で、温泉や物産館等がある。月に一度ハンドメイドのお店が出展するマーケット等が開催されている。

約16年続けているスケートボード。趣味のコミュニティが、仕事における人脈作りに結びついている。
時には工房を離れて出店。地域の人とのつながりが、活躍の場を広げてくれる。

Q. 移住してよかったなと思うことを教えてください。

やはり、多くの方々と知り合えたことですね。人との繋がりを、実感しながら生活できています。知らない土地であるにも関わらず、こうして自分の工房を構えて続けることができているのは、支えてくださっているみなさんのおかげ。特に黒木さんには、本当にお世話になっています。
スーツの仕立てのお店という理想的な場所に工房を併設できただけでなく、間借りということで開業資金を抑えられました。いろいろとサポートしていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

栗原さんが兄のように慕う「クロキビスポークルーム」のオーナーの黒木さん。
工房では、靴の修理作業のほかに、財布など革小物の制作も行っている。

工房を軌道に乗せていくと同時に、靴に興味をもってもらうための活動も行いたい。

Q. 福岡県やみやま市の魅力を教えてください。

福岡県の魅力は、都会と田舎のバランスがよいこと。そして食べ物が美味しいということですね。それから、みやま市の魅力は、交通の便のよさ。九州自動車道の「みやま柳川IC」が近いため車でいろんな場所にアクセスできるし、電車を利用する場合も「JR瀬高駅」と「西鉄柳川駅」の2つの駅を選べます。また、店主の個性や趣向がはっきりとあらわれたお店が多いのも魅力だと思います。ミニクーパーだけを扱うお店やレトロな雰囲気を醸すプラモデル店など、街を巡ってみると面白い発見がたくさんあります。

Q. これからこの街でどう暮らしていきたいですか?

黒木さんに連れていっていただいたのがきっかけで、「カフェ・ド・ゆらら」というお店のオーナーと仲良くさせていただいています。以前リクエストをいただき革のサンダルを作ったことがあるんですが、近々、お店の一角で財布を販売する予定です。並行して、イベントにも出店して、工房を軌道に乗せられるように頑張りたいです。また、地域の方々に向けて何度か行った靴のケア方法に関する講座をこれからも続けて、靴に興味をもってくれる人を少しでも増やしていきたいと思います。

Q. 移住を考えている人にメッセージをお願いします。

もしも気になる移住先があれば、まずは足を運んでみてはいかがでしょうか。街の雰囲気を感じたり人と触れ合ったりするだけでも、そこがどのような街かわかるはずです。何事も、自ら行動を起こすことが大切だと思います。また、自分は移住・独立に際して自治体の支援制度や補助金などは利用しませんでしたが、これから移住される方は使えるものがあれば使った方がいいと思います。

縁もゆかりもない土地で、自分がこうして工房を続けられているのは、支えてくださる方々のおかげです。そんなみなさんと出会えたのは、大好きなスケートボードがあったからといっても過言ではありません。趣味は日々の生活を楽しくするだけでなく、人脈や可能性を広げてくれることもあります。趣味を大切にして、充実した移住生活を満喫してください。

※当インタビューは、2019年10月19日に行われたものです。

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