移住者インタビュー

LIFE STYLE 小竹町

お天道様と一緒に生活する健康的な日々。大げさかもしれませんが、“生きている”という実感があります。

移住者DATA

Uターン

Profile
古森 憲さん(40歳)
Data
鞍手郡小竹町出身。神奈川と鹿児島の企業で働くが、10年ほど前に実家の農業を継ぐためにUターンした。現在は両親と姉、妻、3人の子どもと一緒に実家で生活。農業法人「コモリファーム」を経営する傍ら、小竹町観光協会の広報部長としても活動している。
Work
米農家

自然のサイクルにあわせた生活を送るうちに、体調が改善されていることに気づきました。

インタビューを受ける古森さん

Q. 移住のきっかけを教えてください。

もともと神奈川の企業でプログラマーとして働いていましたが、病気のために退社し、実家療養することに。その頃はまだ地元に戻る気はなかったけど、都会に戻るつもりもなく、回復後は同じプログラマーとして鹿児島で再就職。人混みが好きではない私にとって、鹿児島は居心地のいい場所でしたが、企業勤めだと、体調を崩して入院すると周りに迷惑をかけてしまうという懸念もありました。30歳を前にして将来について考えた時に、長男ということで両親の世話のこともあったので、家業の農業を継ぐことを決意。農業大学に通い、県の新規就農者支援制度※を利用して農業を始めました。

※新規就農者支援制度
農業経営者を志す若い世代を対象に、栽培指導や資金支援、就農計画などを行う制度
農業せんね!福岡で

Q.現在のお仕事について教えてください。

米の栽培を引き継ぐ一方で、農業法人「コモリファーム」を立ち上げて、化学肥料・農薬を一切使わない米づくりを実践しています。子どもの頃から親の手伝いをしていたので、農作業に抵抗はありませんでした。やりがいを感じる時は収穫シーズン。頑張って育てた米を見ると感慨深いものがあり、それをお客さんに美味しいと言っていただけた時は疲れが一気に吹き飛びます。そして、自分の子どもたちが美味しそうに食べているのを見ると、本当に作ってよかったと思います。

Q.移住してからの生活面の変化を教えてください。

生活のリズムが整い、体調がよくなりました。神奈川にいた頃は、いつも仕事に追われていてヘトヘト。貴重な休日も、疲れて寝るだけで一日が終わっていました。今は、朝早く起きて日の光を浴びて、汗をかきながら体を動かす。日が暮れると、仕事を切り上げて早く寝るという生活。お天道様と一緒に生活するという、自然のサイクルにあわせた日々を送るうちに、自分でも体調が改善されていることに気づきました。大げさかもしれませんが、“生きている”実感があります。

愛犬のギンと一緒に、家の近所を散歩するのが日課です。
散歩コースの調整池では、ゆったりと景色を楽しむことも。

引っ越す時の負担が少ないのと友達が多いのは、Uターンならではのメリットです。

Q.どんな時にUターンしてよかったと思いますか?

地元なので、どこにどんな施設があるかをだいたい把握できているし、住む場所も実家だったので、引っ越し前の準備が楽でした。同級生がたくさんいたので、心強かったというのもありました。
町役場に転入届を提出しに行った時、窓口で対応してくれたのが幼稚園からの同級生で、「おお、久しぶりだね!」って。高校まで一緒だったので、話も合い、すぐに意気投合しました。それが、今の妻です(笑)。

Q.逆に大変だと感じることはありますか?

お正月の元旦祭やしめ縄づくり、夏の獅子舞と、予想以上に行事が多くてびっくり。小竹町のなかでも、僕らが住んでいる南良津地区は特に地域の繋がりが強いらしいんですよ。こういった活動は子どもの頃や短い帰省では分からず、Uターンして初めて知りました。また、観光協会に誘われたり、農業をしている関係で県の青年農業士※への打診を受けたりと、いろんな組織からお声がかかります。ただ、繋がりが強いというのは生活するうえで安心ですし、農業をやる上でも他の農家の方に相談に乗ってもらえるので心強いですね。

※青年農業士
農業経営の改善や組織的研究活動など、地域リーダーとして活躍する青年農業者のこと

地域のみんなが一緒になって、子育てをしているという安心感があります。

Q.子育てはしやすい環境ですか?

とてもしやすいと思います。自然の中でいろいろな体験をさせてあげられるし、待機児童もなくて、子育てにはいい環境ではないでしょうか。ここ南良津地区には子ども会のLINEグループがあり、体調不良で学校を休む子の情報など、細かな状況を保護者間で共有しています。また娘が通う幼稚園にしても、保護者の皆さんは地元出身の方が多いし、自分の同級生もたくさんいるので、すぐに仲良くなれました。迎えに行って、友だちの子どもがまだ残っていたら娘と一緒に連れて帰ることもあります。さらに、年配の方が町の見回りをしてくださるので、みんなで一緒に子育てをしているという安心感があります。地域の繋がりが薄い都会だと、このような子育てはできなかったと思います。

Q.今の生活で楽しいと感じるのはどんな時ですか?

子どもたちと一緒に過ごす時ですね。飯塚市の筑豊緑地で体を動かしたり、北九州市の響灘で釣りをしたり。近場だと、裏山でタケノコを掘ったり、夏は竹を切ってそうめん流しをしたりしました。田んぼで一緒に農作業をすることもあり、そういった何気ない日常の中に幸せを感じることができています。

近所の子どもたちに、遊び場として利用されている南良津公民館。夏はキャンプをすることも。
子どもたちとよく一緒に行く「遠賀川自然公園わくわくごとくリバー」。様々な生き物の生態を観察できます。

移住して就農したいと考えている若い世代に、いろんな人を紹介してバックアップしていきたい。

Q.これから農業を始めようとしている方にアドバイスはありますか?

実は、町内の農業者の中では、僕の年齢でもまだ若い方なんですよ。農業の将来を考えると、やはり若い世代に移住して来てもらいたいです。
就農者を増やすために必要なのは、まず“土地と人を繋げる”ことだと思います。土地を紹介する中間管理機構もありますが、なかなか互いのニーズが合わないのが現状なので。また、土地代の一部負担や農機具の貸し出しなど初期投資を軽減できる支援の活用や、農業以外の副収入があると、農業を始めやすくなると思います。就農後は、“販売ルートの確保”が重要です。頑張って作っても、売れないことには生活していけないですからね。
僕個人ができることは、人を紹介すること。就農したいと考えている移住者の方に、いろんな人を紹介してバックアップしていきたいですね。商工会の青年部にはいろんな品目を作っている先輩がたくさんいるので、プロの意見を参考にしてもらえると思います。

Q.移住を考えている方にメッセージをお願いします。

福岡は住みやすいし、観光地も多い。田舎もあるし、都会もある。都会に疲れた人もたまには都会で遊びたい人も、両方おいしいとこ取りができますよ。小竹町は土地が安いし、住民も温かい人たちばかり。助け合いの心が強いので、特に子育てに関して安心です。周りを見渡せば頼れる人がたくさんいるので、移住生活を始めてからも心強いですよ!

※当インタビューは、2017年10月4日に行われたものです。

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