「第3回就農スタートアップ講座」を開催しました!

 
 「就農で成功している人の話を聞きたい」「実際に就農するまでの苦労を聞きたい」、そんな声にお応えして、福岡県では「第3回就農スタートアップ講座~就農とライフプラン~」を開催しました。
 今回講師としてお招きしたのは、福岡県で農業指導者として活躍する大藪進さん!大藪さんは大木町という福岡県南部の町で、福岡県トップの収穫量を誇るイチゴ農家として活躍したのち、現在NJアグリサポートという研修施設で、後進の育成に励んでいます。

1.前途多難なスタート

大藪さんは25歳で就農された当時、い草や米の作物を営む農家だったそうです。大木町は、元々、い草の栽培が盛んでした。しかし、時代が進むにつれて、中国産のい草が市場を席巻するようになり、大木町の多くの農家が経営品目の変更を迫られたそうです。大藪さんもその一人でした。経営品目の変更には悩みましたが、大藪さんを含む多くの農家は、当時福岡県で導入が進んでいたイチゴ品種「博多とよのか」の栽培を決めたそうです。

2.新たな困難

 慣れないイチゴ栽培に悩みながらも、徐々に収穫量を上げることができるようになり、安定した生活を送ることができるようになってきた大藪さんですが、その後、もう一つの困難が訪れます。それは、「新品種の導入」でした。とよのかは、美味しく、香りにも優れた品種でしたが、発色が弱いという弱点もあり、「さちのか」や、「とちおとめ」などの発色に優れる品種に徐々に押されるようになってきました。そこで、今や全国でも有名になった品種「あまおう」の県を挙げての導入が始まります。慣れ親しんだ品種からの転換には不安もあったそうですが、大藪さんを始めとした多くの農家は「あまおう」の栽培を決意します。

3.克服と発展

 「あまおう」の導入は急速に進められた反面、栽培技術の未確立という問題も招きました。現場では、栽培品種をとよのかに戻したほうが良いとの声も聞こえるほどであったそうですが、大藪さんは「栽培技術はいつか目途がたつ、時代を逆戻りさせてはいけない」と考え、大藪さんは、地域で多くの収穫量をあげている方に技術を学ぶとともに、他の農家と知識を共有することにしました。この知識を包み隠さず共有する気風は、今の大木町にも息づいていおり、現在では、大木町は県内でも有数の収穫量を誇る自治体となっています。「作物のブランド力の強化は一人では無理。産地一体となって収穫量をあげようという姿勢が大事」だと大藪さんは語ります。
 
その後、自身も福岡県トップクラスのイチゴ農家として活躍したのち、現在は後進の育成に励んでいます。また、自身が指導した研修生は、県内収穫量の1.5~2倍を誇っています。収穫量の上がる農業を目指す理由を大藪さんはこう語ります。「ゆとりのある農業を目指してほしい。農業を志したあとに、失敗して後悔する姿は見たくない。だからこそ自分の知識の全部を伝えるし、指導するからには、所得を上げるために平均以上の収穫量を目指す。」今までの仕事よりも所得の上がる農業というのは魅力ですね!
 
 以上が今回の就農スタートアップ講座の概要になります!株式会社NJアグリサポートには一度インタビューに伺っていますので、是非、記事をご覧ください。また、NJアグリサポートは随時研修生を募集しておりますので、詳しくはHPをご覧ください。